アボイドノートの意味を理解するために、アボイドノートばっかり使った曲を作ってみた

DTM

 

 

最近、Mrs.GREEN APPLEの曲のタイトルにもなった「アボイドノート」。

その意味は一体何なのでしょうか?

この記事では、アボイドノートの説明と、それを実際に使った曲を紹介しています。

 

アボイドノートとは?

 

英語だと、「avoid note」となり、日本語にしてみると「回避したほうがよい音」という意味になります。

 

現在の調性音楽は、メロディーに対し伴奏でコードが定められています。

歌などの場合メロディーが決まっていますが、間奏でアドリブを弾いたときには、メロディーとは違った音階を奏でるときが多々あります。

 

そんなときに、「あまり使わないほうがよい音」ということでアボイドノートが定められています。

 

 

どんな音がアボイドノートなの?

 

これはコード毎に決まっています。

これを説明するには、アヴェイラブルノートスケールというものを理解する必要があります。

 

アヴェイラブルノートスケール

アヴェイラブルノートスケールというのは、あるコード上メロディーとして使える音を体系化したものと捉えればよいと思います。

今回はシンプルにメジャーキーの場合でやってみますが。

Key=Cにおけるダイアトニックコード(根音から音を五線譜上ひとつ飛ばしで積み上げた音の集団)をみていきますと。

 

Cmaj7 Do, Mi, Sol, Ti Root, M3, P5, M7
Dm7 Re, Fa, La, Do Root, m3, P5, m7
Em7 Mi, Sol, Ti, Re Root, m3, P5, m7
FMaj7 Fa, La, Do, Mi Root, M3, P5, M7
G7 Sol, Ti, Re, Fa Root, M3, P5, m7
Am7 Ra, Do, Mi, Sol Root, m3, P5, m7
Bm7-5 Ti, Re, Fa, Ra Root, m3, dim5, m7

 

この表の2段目の音は、当然メロディーで使える音になるわけですが。

長い音楽の歴史上、これにCメジャー・スケール上の音すべてが心地よく使えるわけではないということがわかっています。

 

Cmaj7 Root,9th,M3,(11th),P5,13th,M7
Dm7 Root,9th,m3,11th,P5,13th,m7
Em7 Root,(♭9th),m3,P4,P5,(♭13th),m7
FMaj7 Root,9th,M3,#11th,P5,13th,M7
G7 Root,9th,M3,(11th),P5,13th,m7
Am7 Root,9th,m3,11th,P5,(♭13th),m7
Bm7-5 Root,(♭9th),m3,11th,dim5,♭13th,m7

 

()でくくった音、五線譜だと✕部分がアボイドノートです。

コード外の音はテンションノートという括りになるので、M2やP4、M6といった書き方はせずに、オクターブ上の9th、11th、13thという書き方をします。

 

少しややこしくなってきたので、単純に書くと。

 

Key=Cのときの各コードにおけるアボイドノート
  • コードがCMaj7(Do Mi So Ti)の場合→ ファ(Fa)
  • コードがDm7(Re Fa La Do)の場合→ なし
  • コードがEm7(Mi Sol Ti Re)の場合→ ファ(Fa), ド(Do)
  • コードがFMaj7(Fa La Do Mi)の場合→ なし
  • コードがG7(Sol Ti Re Fa)の場合→ ド(Do)
  • コードがAm7(La Do Mi Sol)の場合→ ファ(Fa)
  • コードがBm7♭5(Ti Re Fa La)の場合 → ド(Do)

 

となります。コードトーンの半音上の音があるとそれがアボイドノートとなります。

 

 

なんで回避したほうがよいの?

 

これは単純に心地よくない音だからです。

これを理解するために、カンタンな曲を作ってみました。

 

前半がアボイドを多用したメロディー。後半はコードをいじってアボイドノートではなくした場合です。

いかがでしょう。後者のほうがまとまって聞こえませんか?

 

 

よくやってしまう例

誰もがやってしまう例として、

G7のときにメロディーでDoを伸ばしてしまう。

というのがあります。

そう、その曲のキーであるDoであっても、長く伸ばさないほうがよいときがあるのです。

それがドミナントと呼ばれるG7のとき。

 

このときにDoを長くのばすと、G7のBの音と重なり不協和音となります。

なので、こういうときはG7sus4にするのが一般的です。そうするとコードトーンがBではなくCになるので、アボイドではなくなります。

 

また、Iに解決する際も、メロディーでFa-Mi-Re-Doとオブリを入れたい場合、Csus4-Cのようにしたりします。

ヨルシカの「花に亡霊」のサビで歌われている「夏の亡霊だ」の部分(0:47〜)は、Isus4-Iにしてアボイドを回避しています。

 

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

なんだこんなこと知らなくても、気持ちいいように作れば自然とアボイドノートは回避できるじゃん!

と思うかもしれません。

 

でも自分を過信しないほうがいいです。作曲における工程で、アボイドノートはチェックしたほうがいいです。

 

そのほうがより質の高い曲ができることは間違いないです。

 

 

くどしゅん
絶対に使ってはいけないわけじゃないです。短ければ全然問題なし。
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