本当にこのブログを更新するのが久しぶりになってしまいました。
書くネタなんていっぱいあるのですが、やはり音楽家は音楽やってなんぼってことで、作曲などしておりました。
そんな中でも最近はしっかりとオフ日を作るようにしていて、今年の夏はよく映画を観ました。
私はもともとアニメーションも結構好きだったので、新海誠さんの「天気の子」も楽しみにしていて公開2日目に観てまいりました。
今日はくどしゅんが独自解釈するあの映画のエンディングに隠された2つのメッセージについて書いてみたいと思います。
※以下、盛大にネタバレしますのでご注意ください。
田端が舞台なわけ
田端が聖地に選ばれた理由を、公開前に記事にされている方がいて。
新海監督の自然と人工物のアートともよべる背景画を活かすためにそもそも舞台は山手線などの大都会であることが前提で、
かつ今回のお題「天気」をテーマにした場合、空が開けている場所がよいだろう
ということで田端だった。という考察をされている方がいました。
おお!!なるほど!と思っていたし、きっとそれは本当にそうなのかもしれません。
しかしながら、観終わったあとに
「あー、だから田端なのね。。」
と別の意味で納得してしまったのです。
ネタバレ「天気の子」のエンディング
この記事を読まれている方は全員、映画を観た方だと想うのですが。
この映画は最終的に主人公の選択によって田端が沈むというエンディングじゃないですか。
なので、海抜が低いロケーションにしたかったんですよねきっと。
山手線で海抜が低く、隣の駅との高低差もある駅が田端なんですよね。
世の中の評価
震災をオマージュした「君の名は。」である一定層から怒られたという新海さんは、もっと人を怒らせたいとして今作を作ったそうです。
では実際世の中の評価はどうだったのでしょうか?
当時「君の名は。」が公開して数週間たったころのYahoo!映画の星は、確か4.5星だったんです。
それが天気の子は、2019年9月現在3.7星です。
これを見てくどしゅんは「妥当だなぁ」と思いました。
星の低さっていうのはある意味、アンチの数ということでもあるので監督の意図としては成功なのかもしれませんが。
私が思うに、アンチよりも「可もなく不可もなく」っていう評価が多いがゆえの3.7星だろうなと思ったのです。
なんとなくモヤモヤも残りますし。
このモヤモヤって何なんでしょう?
主人公が利己的であることへの賛否
モヤモヤの原因を探ろうとレビュー見ていて。
この映画が嫌いで、辛口コメントしている人に多いのが
主人公の利己的さ。稚拙さ。
の部分なんですよね。
好きな子守りたいが故に東京犠牲にしていいのか的な。
まあそうなんだけどさ。
ならば未だに家族が大事とか、うちの子がかわいい、とか
あの娘が好きだとか、あいつが嫌いだ
もう人間なんて「利己」の塊じゃないですか。
なんて当然なことに考えが行き着くんです。だとすると新海さんは何が言いたかったのか。
そこでさらにモヤモヤを紐解いていった結果、主人公の穂高を
「利己的」だと嫌悪感を抱く人と抱かない人
それぞれにメッセージがあるということに気づきました。
「天気の子」エンディングに隠されたメッセージ
人間ってのは、自分と似た人間が嫌いなものです。
穂高を「利己的」と捉えた人は、きっと自身も利己的というか単に「わがまま」な部分を持ち合わせている人。
そういう人に監督は「おまえらそんなわがままでいいの?」
というメッセージを投げかけている。
一方。穂高を見て嫌悪感を感じない人。
そういう人に監督は「もうちょっとわがままになったっていいんだよ。」
というメッセージを投げかけている。
主人公のやっている事実は変わらないのだけど、
それによって2つのメッセージを伝えようとしているのではないでしょうか。
単純にそれを年代で分けてみると(ちょっと分け方がナンセンスですが。)、
くどしゅんの世代がたぶん「利己的であることを許されなかった最後の世代」だと思います。
僕らの下の世代から、情勢や社会も変わり、より生きやすい世界となっているが故に「利己的であることがある程度肯定される世代」です。
それのどちらがいいわけではありません。
だからその2つのバランスを取れるような作品にしたかった。
穂高をわがままだと思った人は、我が振りを直そうとするし、
穂高を肯定する人は「もう少し自分の思う通りに生きてみようかな」と思うことができる。
「最近の若者は~」なんて言葉はエジプトの遺跡にも書かれているらしいですが、
大の大人やオジサンまでもがアニメーションを普通に見るようになった今、
若者と大人を繋げる映画を新海は作りたかったのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
まあちょっとぶっ飛び感想文ではありますが、くどしゅんが最近考えていることも交えて書いてみました。
京都アニメーションの事件は本当に残念ですが、日本のアニメーションが宝であることに変わりません。
新海さん、細田さん、そしてこれからのアニメーションを支えていく、新たなアニメーターが今後も感動を届けてくれることを期待します。