この記事は
- 映画「閃光のハサウェイ」の主題歌が知りたい
- 「閃光/Alexandros」がどのように作られているか知りたい
方に向けて書いています。
映画「閃光のハサウェイ」
新型コロナウイルスの影響で公開延期が続いている映画界。
「閃光のハサウェイ」も延期が続いており、2021年5月現在も都府県に緊急事態宣言が発令しているため、5月の公開も難しくなってきた本作。
この作品は、筆者が子供の頃から小説として存在しており、映像化が熱望されていた作品です。
ガンダムにはたくさんのシリーズがありますが、最近の多くは原作者ではない方のファンアート的作品です。
しかしながら本作は、生みの親である富野由悠季さんの作品であり、かつ宇宙世紀ものということで期待大の作品です。
時代背景は、逆襲のシャアとユニコーンの中間というところでしょうか。
主題歌「閃光/Alexandros」
主題歌は、ハイトーンボーカルで有名なバンドAlexandrosが担当しています。
タイトルは映画のタイトルどおり「閃光」。
古くからのガンダムファンとしては、「流行りにのっちまったな。そこは森口博子さんだろ!」という声が上がっているもしれませんが、ミノフスキークラフトで空を駆るΞガンダムのごとく疾走感ある素晴らしい曲となっております。
今日はこの「閃光」についてメロディーとコードをみていきたいと思います。
メロディー&コード分析
イントロ
印象
イントロから「さびしさ」や「やるせなさ」というような印象を持ちました。
機動戦士ガンダムはロボットアニメというよりはヒューマンドラマです。
人どうしがなぜ憎み合ってしまうのか、なぜ戦争になってしまうのか。
そんなやるせなさを感じさせるようなイントロです。
しかしながら8小節目からは「走る」ような印象ももちました。
分析結果
基本的にコードはずっと同じですね。
7小節目までは、クリーンギターのフレーズやベースのトーンから「さびしさ」や、「やるせなさ」のような印象を持ったのだと思います。つまりアレンジによるものですね。
その後は、ギターのパワーコードが入ってくることと、ベースもドラムもビートを刻み始めるため、「走る」印象となりました。
基本的にリズムギターはパワーコードっぽいので、D♭/E♭の部分のD♭のパワーコードかもしれません。
Aメロ
印象
耳で聴くだけで、コード自体はバンドらしくシンプルであることはわかります。
その中で「物語が始まる」イメージを持ちました。
8小節目以降は繰り返しとなりますが、そこでは「動き出す」ような印象でした。
分析結果
コードはシンプルにIm-♭III-♭VI-♭VIIという動きです。
バスドラムの4つ打ちは、Aメロでは多用されますね。ギターのパワーコードミュートもしかり。
そのアレンジの手法が「物語が始まる」の正体でしょう。
8小節目以降は、ドラムが8ビートを刻み始めることと、ギターがシーケンス的なフレーズ刻みになることから「動き出す」という印象になったと解釈しました。
メロディーは2小節単位でB♭マイナーペンタで繊細に、A♭メジャーペンタでダイナミックにを交互に繰り返し、緩急をつけています。
歌詞で言うならば、英語パートは繊細に、日本語パートはわかりやすくダイナミックに。という感じです。
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Bメロ
印象
Bメロは、「回想する」ような印象を持ちました。
ハサウェイが過去を振り返っているようなイメージです。
思えばハサウェイノアはZガンダムから登場し、ガンダムの登場人物の中でも多くの戦争を経験しています。
父が軍人であることからも、戦争に身を投じることは必至だったのかもしれません。
大人たちの事情でたくさんの人が傷付け合い、死んでいったことを回想しているな印象を持ちました。
最後の2小節はサビ前ということで「前に進む」という印象を持ちました。
分析結果
BメロもコードはRockらしくシンプルです。
やはり印象の元も楽器のアレンジによるものでしょう。
Bメロに入り、打ち伸ばしになる部分があるため、一旦止まるようなイメージとなり、
「回想する」という印象を持ったのでしょう。
「前に進む」の正体は、Fハーモニックマイナー由来のコードであるC7ですね。
ここで所謂ドミナントを打った状態となるので、次に進む感が出ています。
メロディーA♭メジャーペンタが入る部分もありますが、大枠をみればFマイナーペンタ+T9であり、
繊細さを強調しているメロディーといえます。
しかしながら、最後のC7のところはB♭メジャーペンタでDoReMiを効かせることで、
ジャンプ前の力を溜めているような、力強いメロとなっています。
サビ
印象
もうサビはひたすら「疾走感」です。それはまさに「閃光」です。
閃光とは「瞬間的に明るくきらめく光」だそうで、走り抜ける光のその一瞬を表現したようなドライブ感のある印象です。
8小節目には、「さらに高く」という印象を持ちました。
ガンダムが飛んでいるイメージでそこからさらに上昇する感じです。
そして最後には「太陽のもとへ」という印象を持ちました。
分析結果
V7から偽終止して、再び♭VIから進行します。
♭VIというのはkメジャーキーからすればIVなので、このサブドミナントは終わらずに続いていく感じがするんですよね。
「疾走感」の由来はギターとベースの刻みによるものでしょう。
D♭/E♭となっているところは、メロディーにE♭のアボイドであるA♭音があったからなんですが、
バンドアレンジ的にはパワーコード(A♭を弾いていない)のようなので、普通にE♭でよいかもしれません。
「さらに高く」の要因はFmに進む際に、E♭→Edim→Fmとベースが半音で上昇していくことに由来します。
Edimはもしかしたらコード的にはC7/Eかもしれないです。
そして最後にFmに到達するために、♭VI-♭VIIと上昇するために、「太陽のもとへ」になったのでしょう。
メロディー的にはサビの頭2小節はサビらしくメジャーペンタでダイナミックに、
続く2小節はマイナーペンタ+T9で繊細さを出しています。
サビではよくある手法ですね。
サビの最後もFマイナーペンタ+T9で、繊細に締め括り間奏に入ります。
この物語の結末はいかなるものとなるのでしょうか。(実は知ってしまってるんですが)
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は映画「閃光のハサウェイ」の主題歌であるAlexandrosの「閃光」を分析してみました。
まさに一瞬にきらめく光のように、走り抜けるような曲となっていました。
昨今のバンドの曲って、バンド以外の音が入っていることが多く、
なんだバンドじゃないじゃん。。って思うこと結構あるんですが、
この曲はドラム、ベース、ギター×2、ボーカル、コーラスだけで構成されており、
ライブでも4人で完全再現可能なサウンドです。
コピーしてみるのもおもしろいかもしれませんね。
歌が大変ですが。。