この記事は
- 2021年最新トゥルーワイヤレスイヤホンが知りたい
- Sony「WF-1000XM4」のレビューが知りたい
方に向けて書いています。
2021年最新トゥルーワイヤレス「Sony WF-1000XM4」
2021年にSonyが、WF-1000XM3の後継機として新たにWF-1000XM4をリリースしました。
ケースが小さくなり、LDACへの対応やノイズキャンセルやバッテリ時間などの性能を大幅に向上させ、
発売前から期待大の製品で、予約開始当日だけで現行機を上まったという、トゥルーワイヤレス界の一大関心事となっています。
筆者もちょうど使っていたトゥルーワイヤレスが買い替えの時期であったのと、テレワークが主体となった今費用をかけてもいい部分と判断し、予約の上購入をいたしました。
なお、筆者が予約したのは6/17です。
2021年6月現在、マレーシアが新型コロナウイルスの影響によりロックダウンしており、供給の遅れが発生しています。
7月下旬までは届かないだろうと思っていたのですが、
購入した色がプラチナシルバーとブラックに比べて人気のないほうだったためか、6/29に無事着弾しました。
本日は、音楽に携わる側の目線で、このWF-1000XM4をレビューしていきたいと思います。
筆者のスペックとこれまでの使用機材
筆者は自身も作曲などを行う、音楽系の人間です。
これまでは、NuarlのNT01AXというトゥルーワイヤレスを使用していました。
なのでノイキャン童貞です。
しかしながら自身で作曲を行いながら、演奏もミキシングも一人でこなしており、一般の方よりは音にうるさく、
また鳴っている楽器が何なのかも大体わかっており、音のうるさいほうだと思っています。
先日リリースしたアルバムも、すべて一人で作っています。(ミクですけど。)
ちなみに家での利用機材は、ほぼモニターヘッドホンやモニタースピーカーを利用しており、
ダメな音はダメな音としてをちゃんと出力してくれる環境で普段音楽を製作しています。
- Sony MDR-CD900ST
- Sony MDR-EX800ST
- AKG K701
- FOSTEX PM0.3
WF-1000XM4の特徴
で、まずはWF-1000XM4の特徴ですね。
詳しいことを書けばたくさんあるのですが、ここでは大まかに書いてみたいと思います。
小型化
前機種であるWF-1000XM3の最大の弱点。
ケースがでかいということ。
たくさんのワイヤレスイヤホンを並べる家電量販店にいくと、その弱点が如実に現れていました。
正直、こんな大きいのポケットに入れてられないよ。。
と思う大きさでした。
ただでさえ鍵やスマホでポケットは埋まるのに、それに加えてこれを入れるのは。。
ということで敬遠される方も多かったのではないでしょうか?
しかし、今回のWF-1000XM4はその最大の弱点をしっかりと克服し、半分と言っても過言ではないくらいに小型化しました。
(40%小型化だそうです。)
業界最高水準のノイズキャンセル搭載
なんといっても一番注目されている機能かもしれませんね。
ノイズキャンセルにはパッシブとアクティブと2種類あって。
パッシブはカナル型で耳を塞ぐことにより得られるノイキャン、アクティブは外音を拾って逆位相の波形をリアルタイム生成することでノイズを打ち消す方法です。
この機能が全機種に比べて格段に向上しているとか。
LDAC対応
簡単に言えばハイレゾ対応ということですね。
LDACのコーデックに対応したスマホであれば、より高音質でかつワイヤレスで音楽を楽しめます。
通常のCDの音質が44.1kHzサンプリング、ビットレート16bitというものに対し、
LDACならば最大96kHzサンプリング、ビットレート24bitという環境で音楽が聴けるということになります。
IPX4防滴性能
筆者が前回Sonyのトゥルーワイヤレスイヤホン導入を見送った一番の理由がこれです。
前機種であるWF-1000XM3はIPX4性能の記載がなかった記憶があります。
つまり、スポーツなどでは使えないということです。
筆者はジョギングをするのでこの機能がなければ使用ができません。
今回はしっかりと防滴性能を搭載しました。(ただ、防滴部分に制限があるようですが)
使用レビュー
で実際筆者の手元に着弾しましたので、レビューをしてみたいと思います。
大きさ
これまで使っていたNuarl NT01AXのケースも十分ちいさかったのですが。
さらに小さくなっています。
これならばポケットに入れて持ち歩けます。
各社からケースも発売されているようなので、カラビナでカバンに引っ掛けておくこともできそうです。
質感的にマットで、さらさらした手触り(Macのアルミ表面みたいな質感)なので、
保護ケースは持っておいたほうがよさそうです。
フィット感
今回Sonyが新たに開発した、ポリウレタンフォーム素材のノイズアイソレーションイヤーピース。
非常につけ心地がよく、パッシブノイズキャンセルがしっかり効きます。
また、高い装着性もあり、ジョギングなど激しい動きでも一向に外れそうな不安はありません。
ウィングはありませんが、移動中に落として紛失ということはなさそうです。
ひとつ不安があるとすれば、コンプライのイヤーピースのように耐久性の部分です。
消耗品かもしれませんが、どれだけ長く使えるかは今後日々の利用で明らかになるでしょう。
サウンド
まあSonyですから、そのへんはやはりしっかりしています。
文句なしのSonyサウンド。低音の心地よさからミッドの厚み、高域の煌びやかさまで業界随一。解像度も申し分ないです。
サウンドは好みとも言えますが、このサウンドが合わない。。という人は皆無じゃないでしょうか。
耳のフィットをアプリにて測定もできますので、なるべく万人が同じ音質で聴けるよう配慮もしています。
ただ。
ちょうどこの時期、ミックスをしていたので気になったのですが。
1kHz-2kHzがやや強いように思います。
1kHzや2kHzってこういう音です。
個人的に曲によって耳をつんざくポイントがありました。
なのでアプリのEQによって少し独自チューニングしています。
筆者的おすすめEQセッティングは以下です。
1kHzと2.5kHzのつまみを-1に設定する。
え?それだけ?って思うかもしれません。
それだけで結構変わりますよ。
かつ、巷の音楽というのはミキシングエンジニアが極限まで耳を鍛えてチューニングした最適解なので派手にいじるのは間違いだと個人的に思っています。
エンジニアさんの耳は異次元ですよ。
LDAC
筆者の利用しているスマホがPixel3でLDACに対応していました。
アプリ上でLDAC接続されていることも確認できます。
ハイレゾサウンドを聴いてみましたが、解像度が高くよいです。
先ほど、CDの音質とハイレゾの音質の違いを説明したと思いますが。
サンプリング周波数というのは実周波数の倍の周波数を意味するので、
CD音質の場合は、22.05kHzまでの音が再生できるということで、
ハイレゾならば48kHzまでの音を再生できる。
ということになります。
で。
人は22kHz以上の音は聴こえません。
じゃあハイレゾの意味なんてないじゃないかと思われるかもしれませんが。
ビットレートが16から24に上がるということには非常に大きな意味があります。
波形の再現性(滑らかさ)が2の16乗から、2の24乗になるということです。
つまり異次元の解像度になるんですね。
聴いてみると、16bitでは消えてしまう細かな空間系エフェクト(ディレイ、リバーブ)がしっかり再現されており、
これぞハイレゾという音質を楽しめました。
接続性
このレビュー段階ではまだ駅などに行けていません。
なので、Bluetoothの接続性については詳しくレビューできないのですが。
WF-1000XM4はアプリにより、「音質優先」と「接続優先」を選択することができます。
で、きっと3万円もするイヤホンを購入するほとんどの方は「音質優先」で利用することになろうかと思います。
繁華街へも行けておりませんが、筆者がこれまで使っていたNuarl NT01AXは交差点になると音が飛んでしまうことがありました。
しかし、WF-1000XM4では今のところ音が飛んだことはありません。
また、日々使っていった感想を追記したいと思います。
イマイチと感じた点
正直、購入したことに何ら後悔はありません。
音質や性能、つけ心地など文句なしで今年最強といってもよいでしょう。
ですが。
使っていて、改善の余地がありそうなところは挙げてみたいと思います。
モノラルで再生されるときがある
なぜかしばらくモノラル再生になることがあります。
しばらくすると直るんですが、「アレ?これモノラルだよなぁ。。」と思うことが二回ありました。
接続性の問題なんでしょうか。
ファームのアップデートで改善してほしいですね。
定位がおかしくなるときがある
外で聴いていた際、つまりアダプティブサウンドコントロールで「外音取り込み」になっているとき。
定位がおかしくなるときがありました。
なんていうんですかね、DTMでいうとステレオイメージャーで広げたような感じ。
つまり、左右で音ズレが発生しているような感じです。
音楽を停止して、しばらくすると直ります。(あ、今直ったなって瞬間がわかります。)
EQプリセットの使い道がない
筆者は基本的にJ-POPしか聴きません。
洋楽を聴くこともありますが、その他ダンス系の曲やトランスみたいな音楽はまったく聴かないんですね。
だから、アプリにイコライザーセッティングのプリセットで有用なものがありませんでした。
というか、音楽を作る側の人間としては、エンジニアが極限までチューニングした音が一番良い音です。
それを弄っちゃ、音楽を台無しにしているのと同意だと思っています。
コントロール系
WF-1000XMはタッチセンサです。
それによる動作を、左右で
- 外音コントロール
- 再生コントロール
- 音量コントロール
の3つから左右で1つずつ割り当てることが可能です。
。。。
そうなんです。
全部割り当てることができないのです。
再生コントロールは絶対にイヤホン側でできるようにしたいし、
音量も走ってるときにコントロールしたい。
でも外音orノイキャンだって操作できなきゃ意味ない。。
全部コントロールできればいいのに。。
このあたりもアップデートで改善してほしいですね。
というのも、外音取り込みとノイキャンを自動で切り替えてくれるアダプティブサウンドコントロール機能があるんですが。
部屋の中を歩いただけでも切り替わってしまうし、そもそもスマホの位置情報サービスを使うので電池を消費してしまうんですよね。
なのでコントロール性はイマイチと言わざるを得ないでしょう。
現状は、アダプディブサウンドコントロールをオンにして、
自宅座標を登録して、そこだけは外音取り込みに切り替えないような設定をして回避しています。
ノイキャンの弊害
最後はちょっと特殊な使い方なんですが。
このイヤホンをMacに接続して、最終的なマスタリング音源チェックに使ったりします。
そのときは、リファレンスと呼ばれる巷のCD音源との帯域比較を行うので、頻繁に再生や停止を行ったりします。
で曲を急に止めたりすると、ノイキャンの影響なのか、
耳が高所にいったときのように遠くなるですよね。。
あの気圧にやられた感じに一瞬なります。
まあノイキャンを切ればいいだけなんですけどね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
音楽を作る側から見る、WF-1000XM4のレビューでした。
巷にたくさん出回ったレビューとは一味違う目線を意識したんですが、参考にしていただけますと幸いです。
ちなみに、買ってよかったかどうかというと。
めっちゃよかった。
これに尽きます。
これから3年間ほど、ガンガンに使っていこうと思います。
まだ着弾していない方も早く届くといいですね。