この記事は
- ブルースとは何か知りたい
- ブルースが現代どのように使われているか知りたい
- クラシック畑だけでブルースを勉強したい
という方に向けて書いています。
ブルースとは?何か論
黒人由来の音楽であることは皆誰もが知っていると思います。
もともとブルースとは、アフリカから奴隷としてアメリカに来た黒人のワークソングが発祥です。
つまり、日本でいえば「ヨイトマケの唄」が原点なんですね。エンヤコラソングです。
そこから音楽は発展していった結果、ブルースというものが何かというのがよくわからないものになってきてしまっています。
それは、ブルースにおいて「型」と「音階」の2つが存在するからだと思います。
ブルースにおける型とは
ひとつは「型」です。
これはギタリストやその他のリード楽器がアドリブで最初に通るものではないでしょうか?
僕もよく練習したし、友人とのジャムでは定番でした。
12小節のブルース進行です。以下のようなコード進行を基本としいくつも発展型がありますが、
特徴的なのはトニックからサブドミナント(C7→F7)の動き、サブドミナントからトニックへの動き(F7→C7)ですね。
典型的なブルース進行
C7 | F7 | C7 | C7 |
F7 | F7 | C7 | C7 |
G7 | F7 | C7 | C7 |
ブルースにおける音階とは
でもうひとつの要素が「音階」です。
ブルースの特徴として、
メジャーコードのハーモニーにマイナーのメロディーを重ねる
というものがあります。
前述の「型」でみると、コード進行は明らかにメジャーハーモニーですよね。
それにマイナーな音をぶつけるのがブルースの音階なのです。
一番わかりやすいのが、Key=Cであれば三度であるミ(E)です。
ブルースではここにメ(E♭)を使うんですよね。そうすると所謂ブルージーとか、イナタさが出てきます。
それがコード的にぶつかっていても関係ありません。
ワークソングに伴奏なんてなかったわけですから。ギターなんてぶつかるどころか、クォーターチョーキングして、音程を曖昧にしたりします。3度は個性が出せる音なんですね。
同様にラ(A)ではなくエ(A♭)を使ったりもします。
このあたりはもう論理ではなく、文化だと思うとストンと落ちるわけですが、クラシック畑の方だと難しいかもしれません。
現代の音楽にどのように使われているか
では、実際どのようにブルースの型と音階が現代の音楽シーンで使われているのでしょう。
まずは型から。
昨今で一番有名なのは、Billie Eilishの「bad guy」じゃないでしょうか?
Billie Eilish – bad guy
もろにブルース進行しています。いまどきこの進行でグラミー賞とるなんてすごいな。
また、Little Glee Monsterの「恋は焦らず」もAメロ、Bメロでブルース進行が用いられています。
恋は焦らず – Little Glee Monster
続いてメロディー。
現代のJ-POPでも、洋楽でも、歌のメロディーとして本当に自然に使われています。
アマチュアではこれを使えていない人が多いので巷のライブハウスの曲がツルンとしすぎています。
これを使えるようになると、作曲の幅が広がるので使えるようになったほうがいいです。
今回は例として意外性のあるアニソンで2曲紹介します。
そう、アニソンでもブルースは普通に使われているのです。
Shiny Days – 亜咲花
王道のモータウンサウンド。ジャクソン5も黒人ですもんね。モータウンサウンドは黒人のブルースをルーツに発展した音楽ということですね。
曲自体はKey=Aのメジャー曲。ですがサビ後半のメロディー「Listen to the melody〜」がシラブルでいうと、
ラードーレドメレードー
でメ(Key=AならC)が使われています。
君のせい – the peggies
こちらもサビ終わり「君のせいだよ」の部分でブルースの音階が使われていますね。アンニュイな感じを出しています。
Key=Eのドメジャーな曲ですが、サビの終わりでメ(Key=Eの場合、G)が出てきます。
ドドドメレドド
まとめ
いかがでしたでしょうか?
何気に現在でもブルースは確実に存在するし、それが使われると切ない気持ちになったり、曲のアクセントになったりします。
今日はブルースとは何か?について書いてみました。
皆さんの曲にもブルースの音階、取り入れてみてはいかがでしょうか。