転調感のある♭VIコードで雰囲気を出す使い方

DTM

この記事は

  • ダイアトニックコード以外のコードを使った曲が作りたい
  • ♭VIコードの使い方が知りたい

方に向けて書いています。

 

コードの基礎「ダイアトニック」

 

作曲をしようとしたときにまず、覚えさせられるのがダイアトニックコード。

 

例えば、Key=Cだったら、

五線譜のドからひとつ飛ばしで音符を3つor4つ重ねたものがそれになります。

 

 

Key=Cの楽曲の多くはこれらのコードを使ってできていることが多く、楽曲の基礎をなす部分です。

(最近の音楽理論ではBdimやBm7♭5はあまり扱わないようですが。)

 

コードの応用「セカンダリードミナント」

 

で、実際にはダイアトニック以外のコードもたくさん出てくるのが今の音楽です。

基礎はあくまでも基礎でしかありません。

 

今やJ-POPのコード理論は応用されまくっていると思っていただいてよいです。

ここですべてを説明することはできませんが、代表的なものにセカンダリードミナントがあるでしょう。

 

Key=Cの場合、G-Cへの進行をドミナントモーションと呼び、不安定から安定になる響きから、曲の要でよく使われます。

多くは、Dm-G-Cといった五度進行を連続させた「ツーファイブ」の形で使われます。

 

しかしながら、実は上記のBdimを除くすべてのダイアトニックコードに、ドミナントコードが存在し、

それをセカンダリードミナントと読びます。

 

  • Cの場合G(G7)
  • Dmの場合はA(A7)
  • Emの場合はB(B7)
  • Fの場合はC(C7)
  • Gの場合はD(D7)
  • Amの場合はE(E7)

 

これらの7thコードは、もとのダイアトニックコードのいずれかに解決(不安定→安定)する力が強いため、

感動を誘うコードとしてJ-POPでも頻出するコードです。

 

これらも、通常のドミナントモーションのようにツーファイブとなることが多く、

 

  • Dm-G7-C
  • Em-A7-Dm
  • Gm-C7-F
  • Am-D7-G
  • Bm-E7-Am

 

というコード進行になることもあります。

調性外のコードが出てくるため、ここで臨時記号の出番ということになります。

 

転調感のある借用コード♭VIについて

 

ダイアトニックコードと、セカンダリードミナントを組み合わせることで、ヒットチャート上位にあるような曲は作ることが可能です。

ですが、さらに応用として短調からコードを借用して、それまでの進行とは異なる雰囲気を醸し出せるコードがあります。

 

その代表例が「♭VI」です。

Key=Cの場合は、A♭メジャーコードです。(俗にサブドミナントマイナーと呼ばれます。)

 

Key=Cのダイアトニックには、A♭は含まれません。

ですが、Key=E♭(Cm)の場合、A♭メジャーコードが含まれるため、このコードを一時的に借りるのです。

 

CとCmは同種調という関係から転調しやすい調にあたるため、違和感なく借用することができ、

またすぐにCに戻ることができるため、使いやすく、曲に独特の雰囲気を演出することが可能です。

 

 

♭VIコードの使い方

 

では一体どのように使えばよいか?

昨今の曲で見ていきましょう。

 

当ブログは主にJ-POPを凝縮した90秒の総合芸術の世界である、アニソンにフォーカスしているピーキーなブログなので、アニメソングでみてみましょう。

 

IIm-I/III-IV-♭VI-V-sus4-V

ドミナントであるVにいく手前で♭VIが使われています。

ダイアトニック外のコードなので、ちょっと景色が変わるコードとなります。

この曲はサビでも♭VIが使われています。

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IV-♭VI-I

サビ終わりに♭VIが登場します。IVmのような機能になる印象ですね。

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♭VI-♭VII-I

♭VIも♭VIIもどちらも機能的にはサブドミナントマイナーです。

なので、そのままIへ解決することができます。

 

俺ガイルの「ユキトキ」ではIV-V-♭VI-♭VII-Iという進行をします。

IV-V-Iだと物足りないときの冗長手段として使えます。

 

 

 

 

IV-V-♭VI

先ほどの応用です。

♭VI-♭VII-Iとして元の調に戻ることもできますし、そのまま同種調へ転調してしまうというのもありです。

麻枝准さんなんかはこれでよく転調していますね。

 

「Goodbye Seven Seas」ではサビの途中でFからFmへ転調しています。

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VIm-V-♭VI

麻枝准さんはこの♭VIを使って世界観をよく醸し出しています。

「君という神話」のイントロ最後(「知らない〜」の直前)のコードで♭VIを使い、違和感を演出しています。

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まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

 

作曲において独特の雰囲気を出すことができる♭VIの使い方でした。

紹介した進行以外でも同種調なため親和性の高いコードだと思います。

 

是非活用して、世界観ある曲を作りましょう。

 

 

くどしゅん
このコード本当便利。

 

 

 

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