この記事は
- Mac買い替えを検討している
- Apple SiliconでDTMがどうなるか知りたい
- 最適な買い替えの時期が知りたい
方に向けて書いています。
WWDCで発表されたARMベースCPU「Apple Silicon」
2020年6月に行われた、WWDC。
AppleはこれまでのIntel製のチップから、2年の期間をかけて自社製のチップ「Apple Silicon」へ移行していくことを発表しました。
以前Power PCと呼ばれるIBM製のチップからIntel製のチップへ変わる際は、相当なインパクトでした。
このARMベースのチップになることでDTMにどのような影響が出てくるのでしょうか。
2020年11月ついに発表
その後、「One more thing」という配信イベントが11月10日に行われ、Apple Silicon「M1」が搭載されたMacがついに発表されました。(日本での出荷は11月17日から)
発表されたのは、
- Macbook Air
- Macbook Pro
- Mac mini
の三機種で、デザインはこれまでのものを踏襲したものでした。
その進化はこれまでの新製品を凌駕するもので、
- CPUは最大3.5倍
- GPUは最大6倍
- MLアクセラレーションは最大15倍
となっており、稼働時間も最大20時間(Macbook pro)に延伸されています。
ユニファイドメモリ搭載
とまあAppleが推したい性能アップの部分はさておき、
いろいろとみていると、一つ気になる点が。
搭載できるメモリが標準で8GB、オプションで16GB止まりとなっているのです。
今回新たに搭載されるApple Silicon「M1」では、
メモリがM1自体に内蔵されるユニファイドメモリという仕様です。
これにより、従来よりもRAMの場所がCPUに近いため、
低い容量でも十分な性能を得ることができるらしい。
ということになっているのですが、実際のところはベールに包まれています。
サブ機として導入してみるにしても、後から増設はできないため、DTM用途であれば16GBにしておくのがよさそうです。
DAWへの影響
さて、Apple Siliconを搭載したmacが発売されたら、DTMerはARMベースのmacにすんなりと移行できるのでしょうか?
DAWの観点から行くと、現状言えることは、
Protoolsユーザーはすぐにはやめたほうがいい
という結論になります。
Protoolsは最新OSに対応していない
現状のAvidの公式サイトを見る限り、今現在の最新OSであるmacOS Catalina 10.15.4がサポートされていないのです。
出典:Avid公式サイト
※その後macOS 10.15.5で解消されました。
このようにIntel製のチップであっても、不具合が発生しているProtoolsは、サポートが開始されるまでは買い替えは控えたほうがよいでしょう。
Universal 2とRosetta2でIntel製チップ向けに作られたソフトウェアでもエミュレーションは可能とAppleは説明していますが、オーディオを取り扱うDAWについてレイテンシーなどシビアな面で不具合はあるかもしれません。
したがってその他のDAWについてもやはりサポートが開始されるまでは買い替えを控えたほうがよいです。
ただ、ひとつだけネイティブに最速で対応するDAWがあります。
Logic Pro Xはネイティブに対応する
Logic Pro XやはApple社のソフトウェアです。
したがってApple Siliconにはネイティブに対応します。
出典:WWDC 2020 Special Event Keynote
GaragebandやMainStageも対応します。
なので、これらのユーザについてはハードの買い替えを検討してもよいと思います。
プラグインへの影響
DAWが動いたとしても、プラグインはどうでしょうか?
AAX、AU、VSTなどのプラグインはApple Siliconを搭載したmacでもこれまで通り、動作はするのでしょうか?
こちらもRossetta2のエミュレーションで動作可能としていますが、やはりメーカーのサイトを都度確認か、TwitterなどのSNSでの動作確認報告を待つしかありません。
続々と動作確認の報告が上がってきていますね。
セール情報と合わせて確認しましょう。
WaveからWavesV12プラグインとWavesV11アプリがBigSurに正式対応したとメールアナウンスがありました
またM1はまだ正式サポートではあります
ただOS対応しているので恐らく使用可能ではないかと思います— Mac専門店秋葉館 (@akibakan_mac) November 26, 2020
M1 MacでDTM。Logic Proと内蔵音源、内蔵エフェクトだけで曲作ってるんだけど、とても軽いです……。メモリ使用量はたったの2GB。むしろアイドル状態のOneDrive(x86)のほうがメモリ喰ってるという。今後すべてのアプリ&プラグインがARMネイティブ対応すると、すごいことなりそう。 pic.twitter.com/xcip5QydbZ
— そのほか (@sonohoka) November 24, 2020
あー…やっぱまともに動かないのね…
しばらく様子見だな…M1チップ搭載の新型MacはDTMに使えるのか? DAW、プラグイン、オーディオインターフェイスなど動作状況をチェックしてみた | | 藤本健の "DTMステーション" https://t.co/9sJA0ovjcs
— mee (@mee_lw) November 23, 2020
DAW,プラグイン主要DTMブランド macOS Big Sur (OS 11) / Appleシリコン M1 チップ搭載 Mac への対応状況まとめ – Digiland (デジランド) 島村楽器のデジタル楽器情報サイト https://t.co/y14zvUYoyY @shima_mdより
— 世界の歪み (@distortionOfWld) November 23, 2020
ここサラリと書かれてるけど狂気すぎる…
>RME Fireface UCXもクラスコンプライアントのモードにすると使えた
>Rosettaで動いているStudio One上でM1用のAUプラグインが動いた
>逆にLogic上でもインテル用のAUプラグインが動く https://t.co/POCHZcUfK6— 野生の男 WILDMAN (@yasei_no_otoko) November 23, 2020
オーディオインターフェースへの影響
Thunderboltは引き続きサポート
AppleがIntelと決別するように見られがちですが、10年以上前にIntelとAppleが提携して設計・開発をを行ったThunderbolt企画を引き続き採用することは約束されています。
Apple Silicon採用のMacはThunderboltをサポートするとAppleが明かすhttps://t.co/5r8MYBSCh0
— GIGAZINE(ギガジン) (@gigazine) July 9, 2020
DTMで愛用者の多い、UNIVERSAL AUDIOのインターフェースなどは継続して使っていくことが可能そうですね。
ただし、現状のThunderbolt3ではなく、Thunderbolt4が採用された場合は、検証が必要になってくるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ついに発表されたM1を搭載したMac。
- DAWやプラグインのM1対応
- ユニファイドメモリの影響
この2点がDTMer的な興味となっていきそうです。
まずサブ機として導入してみて、どこまで動作するのか?どこまでメモリが耐えられるのか?
検証してみたいなぁと考えています。