この記事は
- 宅録で使えるワイヤレスヘッドホンを探している
- Bluetoothだと遅延があって困っている
方に向けて書いています。
作曲や宅録時にケーブルが邪魔
自宅で、ギターのレコーディングや作曲をしているときに、必須となるアイテムがヘッドホン。
そもそもアコースティックギターなどの生音の収録には、ヘッドホンは必須ですし、
エレキギター のレコーディングにしても作曲にしてもスピーカーよりもヘッドホンを使って。。という方のほうが多いと思います。
なんですが。
このヘッドホンのケーブル。邪魔じゃないですか?
筆者の制作環境でいうと、ヘッドホンジャックがIFの右側に配置されており、
どうにもケーブルが邪魔になりやすいのです。
うん、とても邪魔だ。
Bluetoothは遅延がある
だからといって、ワイヤレスにしようとしても、昨今普及したBluetoothヘッドホンではレコーディングできません。
というのも、Bluetoothは遅延があるのです。
スマホで音楽を聴く分には問題ありません。
aptXというコーデックであれば、動画再生やスマホゲームでもなんとか使えるでしょう。
しかし、aptXであっても70msの遅延が発生するため、
レコーディングにはとても不向きです。
最近、LDACコーデックに対応したSonyのイヤホン、WF-1000XM4であったも同様です。
この記事は 2021年最新トゥルーワイヤレスイヤホンが知りたい Sony「WF-1000XM4」のレビューが知りたい 方に向けて書いています。 2021年最新トゥルーワイヤレス「Sony WF-1[…]
超低遅延ワイヤレスヘッドホンないの?
筆者の場合は、日々の作曲やギターのレコーディングには、王道のSony MDR-CD900STを使用していて、
ミックス時に、AKG K701やスピーカーFOSTEX PM0.3も合わせて使うという感じです。
で、例えばギターをレコーディングする際にケーブルが邪魔になったり、
少し離れた場所にあるボーカルブースで声を録る際にケーブルが引っかかったりして、
かなりストレスを抱えておりました。
ちなみにボーカルブースはISOVOX2を使ってます。(最近歌録ってないけど)
で、そんなときみつけたのがaudio-technicaのATH-EP1000IRです。
audio-technica 「ATH-EP1000IR」
遅延0.001秒以下
なんと遅延1ms以下を実現したヘッドホンです。
これであればレコーディングあってもまったく問題なくできるでしょう。
DAW側の遅延も64msとかですもんね。それ以下なのですから、レコーディングに影響することはないでしょう。
Bluetoothではなく赤外線通信
Bluetoothだとどうしても遅延が発生してしまうため、こちらは赤外線通信となっています。
しかしながらサンプリングレート24bit/192kHzでA/D、D/A変換したものが遅延0.001秒以下だなんて、
未来ずら。
置くだけ充電
こういった製品の場合、USB-Cとかのケーブルで充電。。
というスタイルが多そうですが、それって結構面倒なんですよね。
パッと充電できて、パッと使用。
それにはスタンドが不可欠でしょう。
その点にも配慮されていて、ATH-EP1000IRは専用のスタンドが付属します。
これならば、日々の運用も楽そうです。
最大通信距離7m
こういったワイヤレス製品の場合、通信できる距離というのも重要になりますが、
ATH-EP1000IRはカタログ値で「見通しの良い状態で7m」としています。
Bluetoothであれば確かにもっと遠くまで音が飛ばすことができるでしょう。
なんですがこのヘッドホンはあくまで演奏者やDTMer向け。
宅録の環境としては十分ですね。
充電時間4時間。使用時間5時間。
筆者の場合は、2週間で一曲を仕上げるために、
ほぼ一日中ヘッドホンをしていることがあります。
そういった意味では、使用時間はやや短めとなっています。
しかしながら、かならず昼休憩はしますし、その間に充電しておけばなんとか運用はできるかなと思います。
もっと長く使えればとは思いますが、
赤外線通信で超低遅延ということを実現させるには現在はこの時間が限界ということでしょう。(重量なども含め)
レビュー
というわけで少しでも制作環境を快適にしたいので、実際に購入してみました。
音質
上記で記載した、MDR-CD900STやK701と比較しても遜色ない音質だと思います。
もっと繊細な耳を持つ方であれば違うのかもしれませんが、少なくとも筆者には違いはわかりませんでした。
(もちろん密閉型なのでK701よりはMDR寄りですが、ミドルが控えめなチューニングかもしれません。)
音質というよりは、上記2つに比べて若干外側で音が鳴る印象を持ちましたね。
自分としてはミックスの際にまたひとつ異なる環境を手に入れられたという解釈です。
作曲やレコーディング作業をこの音質で、ワイヤレスでできるのならば機能としては十分すぎると思います。
装着観(眼鏡でも問題なし)
筆者は普段眼鏡族です。
なので、ヘッドホンを長くしていると痛くなってきてしまうことがあるのですが。
装着観もよく、眼鏡の邪魔をしません。
太いフレームの方は注意したほうがよいでしょう。(筆者のは、非常に細いです。)
装着感として気になったのは蒸れですね。
結構、蒸れます。
なので、合わせてmimimamoを導入することをオススメします。
Lサイズですっぽりハマって、蒸れ対策になります。
伝送距離
筆者宅は、8帖の1Kという間取りです。
制作机の脇に、レシーバーを置いた状態で8帖の部屋内は問題なくリスニングできました。
ただ、その部屋を出てしまうと、サーっというホワイトノイズが発生し、風呂場などの方に向かうと完全に音は途切れます。
Bluetoothのように突然音が切れるのではなく、サーっというノイズが発生してくるのが赤外線ぽいですね。
その他
付属しているステレオミニプラグのケーブル。
短いですね。
筆者環境の場合、ドックをおきたい場所とイヤホンジャックが少し離れており届きませんでした。
またケーブル自体が所謂コンシューマー向けの貧弱なケーブルであるため、別途購入したほうがよさそうです。
総評
これは買いです。
買ってよかったです。
これでレコーディングや作曲の煩わしさから解放されるならば、投資していい部分だと思います。
レイテンシーも全く気にならなければ、音質もよし。
作りがチャチいというレビューも拝見したのですが、筆者としては十分な質じゃかいかと思いました。
パッドや充電池も後々交換できるようなので、末長く使っていきたいと思います。
ちなみに
筆者はLogic Proユーザーですが、バッファサイズを下げてもレイテンシーが発生することがあります。
そんなときは、低レイテンシーモードにすると、レスポンスがよくなるので試してみてください。
低レイテンシーモードは、Logicのトランスポート右の「v」をクリックして、「Customize Control Bar and Display」(英語ですいません。)をクリック。
「Low Latency Mode」にチェックを入れてOK。
トランポート右側のボタンに表示されるので、点灯させることで有効になります。
ローレイテンシーモードの場合、一部のプラグインなどの機能が無効化されるため、ミックス時には解除するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
作曲やレコーディング用途で(あともちろん練習でも)大活躍しそうなヘッドホンです。
もちろん、ミキシングなどかなり繊細な作業には不向きといえるかもしれませんが、
音質に影響しない作業(むしろこっちの時間のほうが長い)時にはワイヤレスを使うという選択肢もありですね。
またミキシングにおいても、リスニング環境がひとつ増えると思えば、
その他の環境と合わせて比較用に使っていくこともできます。
初めてギターのワイヤレスを導入した時、何か解放された気分になったことを覚えています。
現在、スタジオにいくことはあまりありませんが、
今度は自宅でこのワイヤレスの快感を味わってみたいと思います。