みんなDTMで表示されるこの画面が嫌いw
最近、DTM関連でミキサーとか、バス(Bus)っていうのがよくわからないという質問をいただきました。
ミキサーの知識となると楽器やってたりバンドやってりする人だとスタジオに常設されているのである程度知ってる人もいるでしょう。
しかしミキサーも多機能化しているので、センドやAUXまでうまく活用している人は、実はバンドマンでもあまりいません。
ましてやそういったハードも触ったことないのにDTMでこんな画面表示されたら、もう何もやる気なくしますよねw
今日は僕の知ってる範囲内でなんとかうまく説明できないかやってみたいと思います。
トラックってなんぞ?
まず、LogicでもProtoolsでも曲を作るとき、データを入力するときにトラックというものを作ります。
例えばロジックだとこんな画面。
このひとつひとつが「トラック」になります。
ちなみにこれをミキサーウィンドウで見るとこんな感じ。
トラックっていうのはイメージ的にはテレビのチャンネルだと思ってください。
東京だとNHK、Eテレ、日テレ、テレ朝、フジ、テレ東など複数のチャンネルがありますよね。
でこのトラックていうのを更に簡単に表記するとしたら何がいいか。
くどしゅん的には、糸電話が思いつきました。
ソフトウェア音源などの音源がインプットされ、それは最終的に聞く人の耳に届かなければなりません。
シンプルなトラックであれば、音源から聞く人(便宜上、くどしゅんでいきますw)は一本の糸で結ばれます。
トラックが複数ならば、インプット(ソフトウェア音源)は複数となりますが、
くどしゅんの人数は変わらないので、最終的に糸電話は一本にまとめられて、くどしゅんの耳に届きます。
フェーダーとパンってなんぞ?
複数の楽器をまとめてくどしゅんに届けるために、一本にまとめられた糸電話。
でもそうすると全部の音がごちゃ混ぜになってくどしゅんの耳に届きます。
なのでバランスを整えるために、フェーダーとパンを使います。
フェーダーは糸電話でいうと、糸の太さですかね。
複数の楽器の音量を整えたい場合、このフェーダーで音量を変えてあげることでバランスを整えます。
歌が聞こえなかったら他の楽器を下げたり。上げたり。とか。
パンを糸電話で例えるのは難しいですが、聞いたときに右耳、左耳どっちのほうがそのトラックが聞こえるかっていう比率とか定位ですね。
一番左に設定すれば左耳からしか聞こえませんし、右も同様です。
そうやって複数の楽器の位置を調整してあげるためにパンを使います。
トラックには種類が複数ある
これまでソフトウェア音源を前提としてトラックを説明しましたが、
実はトラックには種類があるんです。
テレビのチャンネルで例えるなら、NHKと民放と地方局とかそんな感じです。
ソフトウェア音源用のトラックに加えて、歌や自分で演奏する楽器をインプットするオーディオトラックだったり、
最終的なくどしゅんの耳に届けるための最終調整をするマスタートラックなどがあります。
で、その中でオグジュアリー(AUX)トラックというものがあります。
これについては後述します。
インサートエフェクト
先程の糸電話に戻ります。
複数のトラックをまとめてくどしゅんに届けるためにフェーダーやパンを使いましたが、もっと電気的な効果(エフェクト)を与えてみたい場合です。
例えばあるソフトウェア音源の音を、ピヨピヨボイスに変換してくどしゅんに届けたい。
そんなときにインサートエフェクトを使います。
糸電話の途中に変換ボックスを噛ましてあげるのです。
こうすれば、ある特定のトラックの音だけにエフェクト音をかけて、他の楽器はそのままにくどしゅんに届けることができます。
これがインサートトラックです。
LogicでいうとAudio FXの部分がそうです。
インサートエフェクトの欠点
上記のようにある特定のトラックにエフェクトをかけたい場合はインサートがとっても有効です。
ですが、複数のトラックに同じエフェクトをかけたい場合はどうでしょう。
ひとつひとつのトラックすべてに同じ変換ボックスを置かなければなりません。
この変換ボックスがいくらするか知りませんがw、なんか無駄だし設定が面倒です。
そんなときにAUXトラックを使用するんです。
Busに送るってなんぞ?
オグジュアリーは、「補助的な」という言葉なのですが、
このAUXトラックというのは何のソフトウェア音源も接続できませんし、オーディオを録音することもできません。
あくまで補助ですから。
では何に使うのか。
糸電話を分岐させるために使います。
ある楽器の糸をAUXトラックにも引っ張ることでAUXトラックにもその楽器の音が届きます。
これを「バスに送る」といいます。
送る音量はLogicの場合はSendsというツマミでフェーダーのように自由自在です。
で、このAUXトラックに先程のピヨピヨボイス変換ボックスを設置します。
今回はすべての楽器をピヨピヨボイスにしたいのですべての楽器からAUXへ糸を引っ張ってあげます。
こうすることで、変換ボックスひとつにまとめることができ、くどしゅんの耳に届けることができます。
ちなみにAUXトラック自体のフェーダーは通常0dB以外にはしません。
変換ボックスがひとつでよいということは、糸電話界では単純に費用が安く済むことであり、DTM界ではCPUやメモリの負荷が小さくなるということでもあるのです。
インサートエフェクトとバスエフェクトの違い
あれ、でも何かおかしくないですか?
インサートは変換ボックスを通った音とその他の楽器の音がくどしゅんに届きますが、
バスエフェクトのほうは、
- 各トラックの原音
- AUXに送った各トラックの変換ボックス音
の両方がくどしゅんに届くことになります。
そうなんです、つまりバスエフェクトにかける変換ボックスの種類は、
ピヨピヨボイスのようなものではなく、リバーブやディレイのように原音が残っていたほうがいいエフェクトにしたほうがよいのです。
バスはミックスで多用する
DTMのミックスでバスは多用します。
ディレイやリバーブといった空間を演出する処理、ドラムの余韻コントロール。サイドチェインなどなど。
仕組みをしっかり理解して、限られたリソースの中で最大限の効果を発揮できるようにしましょう。
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そのために全パラメータを公開したプロジェクトファイルが付属しているから、誰でも再現できるはずだよ!
是非やってみてね!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はDTMでつまづきがちな、トラックとミキサー、インサートとバスについて説明してみました。
AUXトラックについては他にも様々な使い方があります。
バスでディレイやリバーブを使う方法は作曲する上で必ず使うノウハウです。
しっかりと理解しておきましょう。
楽しい音楽ライフを!