この記事は
- 「歌ってみた」でボーカルと伴奏のバランスが取れない
- ミックスで伴奏が(ボーカルが)小さくなってしまう
- ミックスでボーカルが浮いてしまう
- 伴奏と歌をうまく馴染ませたい
という方に向けて書いています。
歌ってみた動画などでミックス
弾いてみた動画などで、自分の歌と伴奏をミックスするとき、伴奏が大きくて歌が埋もれてしまったり、逆にボーカルを大きくすると伴奏がスッカスカになってしまったり。。
どうせ配信するならば、ハイクオリティでアップしたいですよね。
今日は、ボーカルをミックスするときに使えるテクニックを紹介したいと思います。
このノウハウは、バンドなど、複数トラックをミックスする際にも使えるテクニックですので、バンドをやってる方も是非知っておいたほうがよいでしょう。
ボーカルミックステクニック
プレートリバーブで自然な残響音
まずはリバーブです。カラオケでいうエコーです。
少し前まではかなりドライなミックスが多かったですが、最近はまたウェットになってきましたね。
ボーカルの場合はプレートリバーブをよく使います。
AUXトラックでリバーブを作成し、Busでボーカルトラックをセンドします。
このBusについてはこちらの記事を参照してください。
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エフェクトの成分はウエット100%にして、センド量を調整します。
ショートディレイで存在感を出す
こちらもBusで行います。
ディレイ・タイムは〜100msくらいでお好みで設定します。ステレオディレイの場合は、左右同じタイミングでよいです。
大事なのは、センド量です。
メインボーカルをダブリングのように二人のように聴かせたい場合は大きめでもいいですが、基本はほぼ聞こえないレベルでセンドしてください。
これだけで存在感が増します。
ミッドディレイでオケに馴染ませる
こちらもBusで行います。
曲の大体のテンポを調べ、左右で別々のタイミングでディレイ音がなるようにします。
曲によりタイミングは変わりますが、L側付点8分、R側4分音符とかでよいと思います。
それぞれ1、2回ディレイ音がなる程度でよいので、フィードバックは少なめでよいです。
このディレイ音のエフェクトのあとにEQを挿入します。
そしてローカット、ハイカットします。
これには理由があって、残響音とはそもそも劣化していくはずなので、原音がそのまま繰り返されると違和感を感じるためです。
EQ
原則カット方向で使います。
150Hz以下はカット、300Hzあたりがモヤっとポイントなのでカットします。
コンプレッサー
ボーカルはFETというトランジスタのコンプレッサーをよく使います。
アタック早め、リリースは自動でよいです。Ratioは4:1程度です。
リダクションが5dB触れるくらいに調整します。段がけ(コンプレッサーを複数繋ぐ)して、ダイナミクスの差を小さくすることもあります。その場合はかかり具合もそれぞれ浅めにして、トータルで5dB触れるように設定します。
サチュレーションで倍音追加する
ボーカルの原音に対し、倍音を付加すると艶がでて音が前に出ます。
サチュレーション系のエフェクトを挿入します。Logicではコンプレッサーにこの機能があるので、DISTORTIONをSoftに設定します。
ディエッサーで歯擦音を制御する
ボーカルトラックにはディエッサーを挿入し、子音の耳障りを調整します。
だんだんとCD音源ぽくなってきましたね。
でもまだ、ちょっとオケには馴染んでいません。
歌の主音と倍音を解析して、オケの帯域を削る
ボーカルのエフェクト設定としては、以上が基本です。
でも、これでフェーダー調整してもちょっと馴染まないですよね。
たぶん大体の人は、上記エフェクト設定で終えてしまうと思いますが、ここでもう一歩踏み込んでみましょう。
ボーカルの声の帯域をみてみます。
山をみてみてみると、200Hzあたりに山。500Hzと750Hzあたりにも山があります。
前者が声の主成分、後者が声の倍音成分となります。伴奏の音が歌とぶつかっているため、オケにEQを挿入します。そして、チェックした周波数についてオケ側を削ります。
こうすることで、オケの音量を下げることなく、ボーカルが抜けてきます。
音量を自動で調整してくれるプラグイン
ボーカルトラックというのはコンプレッサーを使ったとしてもやはり、抑揚が大きいパートです。
CDのようにAメロやサビもバランスよく聞こえ、かつ伴奏もしっかり聴こえるようにするには、フェーダーをオートメーションで書いたりもします。
ですが、WAVESのVocal RIderを使えばそれが自動で行われるようになり、作業の効率化になります。
もし、時間がない場合は導入してみるのをオススメします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ボーカルを混ぜるときに使えるテクニックでした。
今回はオケとボーカルでやりましたが、基本的に多数のトラックになった場合でも同じようにすれば馴染むミックスができます。
その場合、どちらを聴かせたいかをよく考え、帯域で制御するかパンで制御するかを考慮しましょう。