作曲でパクりを防ぐ方法6選

DTM

この記事は

  • 作曲を勉強しているが既存曲のパクリになってしまう
  • かといってリファレンスがないと作れない

方に向けて書いています。

 

 

物を創る側になった悩み-パクり

 

作曲をしていると必ずぶつかる悩み。既存曲をついパクってしまうという問題。

音楽は著作権で保護されていますので、既存曲を盗むのはルール違反となります。

 

趣味で楽しんでいる分には全く問題ありませんが、商売でやっていると大問題に発展しますし、

偶然似てしまった場合でも、追求されてしまうことだってあり得るのです。

 

また最近はSNSも発展したため、仮に作曲者同士は折り合いがついているものの、

リスナーの報告によって世間的に炎上してしまうことも考えられますので、なんとしても避けたいところです。

 

 

そもそもクリエイティブとは何なのか?

 

でも、そんなことを言っても人間は0から物を創ることができません。

 

「すべての創作物はファンアートである。」

とクリエイティブディレクターの原野さんはおっしゃっています。

 

つまり、人という個体が作り出せるものは、自分の好きなものの集合体だということです。

 

ところでみなさんは

Google Scholarという論文検索サイトをご存知でしょうか?人類の英知を知ることができるサイトです。

そのトップページには、以下のような文言が書かれています。

 

巨人の肩の上に立つ

Google Scholar

 

この言葉は、12世期のフランスの哲学者、ベルナールが言ったとされています。

 

この言葉は、

「我々は過去の偉人達の文献(巨人)で発展してきたからこそ、より遠くをみる(発見する)ことができる」

という意味です。

 

 

音楽理論なんかもそうですよね。

これまでの多くの楽曲が生まれ、それを体系的に分析していった結果できたものです。

 

演奏する楽器自体もそうです。

測定の技術が進み、また製造方法についても発展してきた結果、現在の楽器達があります。

 

だから、あなたが曲を創ること自体もう巨人の肩に乗っていると同意なんですよね。

既にパクりなんです。

 

あなたが真似たいと思う楽曲自体も何かしらのパクり(ファンアート)であると言えます。

 

ヨルシカの「盗作」という曲は、ファンアートのことを「盗む」と表現し、

盗み続けたのにまだ満たされないクリエイターの葛藤を歌詞にしている名曲です。

 

Amazon Music Unlimitedがおすすめ!
30日無料で6500万曲が聴き放題!

 

 

しかしながら、一曲をまるっと真似るのは前述のとおりルール違反です。

ならば、あなたが好きなものを複数掛け合わせてみましょう。

 

 

それが、巨人の肩の上に立ってできた「クリエイティブ」と言えるのです。

そして私達は好きな物を増やし、盗み、最後にはその巨人自体を大きくしなければならないのです。

 

 

 

リファレンス曲で盗むべき部分

 

では、具体的にどういった部分を盗めばよいでしょうか?

島崎貴光さん著「作曲・編曲・作詞でプロになりたい人が 成功する方法 挫折する理由」では、以下の軸を参考にすべきと書かれています。

 

雰囲気

 

 

まずは曲の雰囲気ですね。

 

理論的にいえば、盗みたい曲がメジャーキーなのか、はたまたマイナーキーなのか?

となるわけですが。

 

単純にメジャー=明るい、マイナー=暗いともならないのが音楽の面白いところです。

マイナーでも明るく聞こえて、カッコいい曲もたくさんあります。

 

メジャー、マイナーだけに捉われずに総合的に雰囲気をうまく捉えましょう。

 

 

 

方向性

 

 

元気な曲なのか?それとも切ない感じの曲なのか?

聴いた人にどんな気持ちになってほしいのか?

 

といった部分です。

雰囲気とも連動しますね。

 

人間は感情の生き物です。

盗みたい曲の盗みたい部分を聞いて、自分がどう思ったのか?どう心が揺さぶられたのか?

という繊細な気持ちをトレースしましょう。

 

当ブログの楽曲分析で、必ず理論にて分析する前に、どう思ったか?を書いているのは上記理由となります。

 

 

テンポ感

 

 

一番盗みやすい部分ですね。

最近の曲は本当にテンポが速いです。

 

BPM=170とか普通です。

筆者が予想するに、そういった曲が増えてきたのは90秒勝負である、アニソンが影響していると個人的には思っています。

 

逆に、ゆっくりしてビートをシャッフルさせるということで、大人な曲にすることもできます。

盗みたい曲のテンポを注視してみましょう。

 

 

メロディー感

 

 

正直、雰囲気や方向性、テンポはまるっと盗んでも問題はありません。

しかしながら、メロディーには著作権がありますので、ここを侵害してはいけません。

 

盗みたい曲のメロディーではなく、メロディー感を盗みましょう。

具体的には、音符の細かさや、音程のダイナミックさです。

 

一度盗みたい曲のメリディーを打ち込んで五線譜で見てみましょう。

そうすると、どれくらいの細かさなのか?どれくらい跳躍しているのか?音域は?

 

など見えてくる部分が出てきます。

そういったところを盗みましょう。

 

 

サウンド感

 

 

こちらは全体的な質感ですね。

曲が、アコースティック系なのか?打ち込み系なのか?はたまた融合系なのか?

 

といった部分です。

 

 

 

 

作曲でパクりを防ぐ方法○選

 

上記を参考にしてみた結果、自分が大好きな曲と結局同じになってしまったorz という方。

 

確かに、上記では少しフワっとしていて思い通りに作曲ができないかもしれません。

その場合、たくさん盗んでしまった曲から、以下を変えてみてはいかがでしょうか?

 

メロディーの入りを変える

 

 

 

まずは著作権の対象であるメロディーからです。

 

例えば、リファレンスにしている曲のメロディーの入り方が、

  • Aメロ:一拍目
  • Bメロ:アンティシペーション
  • サビ:二拍目

だったとしたら、あなたの曲は

  • Aメロ:アンティシペーション
  • Bメロ:二拍目
  • サビ:一拍目

 

とします。これだけで結構曲が変わりますし、入り方が違うだけで後ろのメロディーにも修正が必要になってくるため、別物に返信可能です。

 

 

メロディーのスケールを変える

 

参考曲のメロディー(仮にKey=Cとして)がCメジャーペンタで構成されていたとしたら、

Fメジャーペンタ、或いはGメジャーペンタで作ってみます。

 

メロディーがAマイナーペンタでできていたら、

Dマイナーペンタ、或いはEマイナーペンタで作ってみます。

 

使う音が違うわけですから、これだけで著作権的な問題は回避可能です。

 

 

コード進行を変える

 

コード進行自体には著作権がありません。

 

しかしながら、あまりにも似すぎてしまったら、手を入れる必要があります。

コードは極論、トニック、サブドミナント、ドミナントしかありません。

 

  • IをVImやIIImにしてみる
  • IVをIImにしてみる
  • SDmを使ってみる

 

など、理論を駆使して変化させてみましょう。

とくにSDmを使うと転調感もあり、オリジナル色が強くなります。

 

 

リズムを変える

 

曲の雰囲気自体が変わってしまうので、注意が必要ではありますが、

曲のリズムを変えてしまうのもひとつの手です。

 

  • 8ビートのものを16ビートへ
  • シャッフルや3連符へ

 

など、リファレンス曲とリズムを変えてみると違う曲に生まれ変わります。

 

 

構成を変える

 

例えばイントロありのものを参考にしている場合は、

  • サビから始める
  • イントロなしの歌い出し
  • 落ちサビをつける

など構成を変えてみると、楽曲がまた違って聞こえてきます。

 

 

歌詞を変える

 

筆者が作曲をしていて、実は一番変化を感じる部分です。

 

歌詞自体を全く関係のない、普段自分が思っている伝えたいことにするだけで、

たとえメロディーが同じだとしても全く違う曲になる印象があります。

 

歌詞によって、言葉のリズムも変わって、メロディーへの乗せ方も変わってくるためです。

(とはいえ、メロディーには著作権がありますからメロも変えなければなりませんが。)

 

 

 

大好きな物事をたくさん見つけよう

 

とまあ、曲をオリジナル曲にするために変化させられる要素を洗い出してみました。

まずは一旦初稿を作ってみて、第二稿、第三稿と曲の質を上げていく段階でも使えるノウハウでしょう。

 

前述もしましたが、すべての創作物はファンアートです。

もし、作った曲が誰かのパクりになってしまっているのだったら、

 

音楽に関わらず、あなたが強烈に好きなものを日々増やしていってみましょう。

それを積み重ねていった結果いつかあなたは

 

パクリじゃないオリジナル曲しか作れなくなります。

 

そうなれた日から、あなたもまた巨人を大きくするために世の中にたくさんの名曲を排出して巨人を大きくしていく要員となるでしょう。

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

 

結局、一人の人間ができることなんて人真似でしかありません。

だけども、あなたの強烈な「好き」を積み重ねていった結果、あなたにしか紡げない旋律、コード、リズム、言霊が生まれるでしょう。

 

まずは巨人の肩の上に立ち、好きになる。盗む。から始めてみましょう。

いつかその経験を巨人にお返しすることができるようになるまで。

 

ちなみに上でご紹介した、クリエイティブ入門は、クリエイターには一読いただきたい名著です。

是非一度読んでみることをおすすめします。

 

 

くどしゅん
さて今日も巨人の肩の上に立って進みましょう。
最新情報をチェックしよう!