作曲、アレンジの際に覚えておくと便利なコードスケールについて

DTM

この記事は

  • 作曲に役立つ知識が知りたい
  • コードスケールの使い方が知りたい

方に向けて書いています。

 

 

作曲をしているとやりがちなこと

 

初心者が作曲をしていると、気づかずにやってしまうのが

 

  • 和音とメロディーが合っていない
  • というか、音がぶつかってしまっている

 

という部分。

いやいや、耳を頼りにやっていれば大丈夫!と思っていても、編曲で各楽器を動かしていくと気づかずにぶつかってしまうことが結構あるんです。

 

しかも、難しいのは「半音の関係でも音楽理論上OKなものもある」ことや、「短いからOK」というケースもあることが事態を複雑化させています。

 

初心者で一番やってしまうのは、例えばドレミファソラシド(つまりKey=C)で作曲をして和音をつけたとして。

ソシレというGコードを打った時に、メロディーでドを伸ばしてしまうことです。

 

これはGコードのティと半音関係になり、また音楽理論上もNGとされる使い方です。

 

そうなんです。

たとえ、キーの主音であるドであっても使ってはいけない部分があるということなんです。

 

それを耳ではなくて、過去の偉人達の力によって回避する方法があるんです。

 

 

コードスケールを覚えると回避できる

 

これからの話はキーの概念やダイアトニックコードが理解できていることが前提となります。

 

ダイアトニック上のコードには、バークリーメソッドではスケールと名前が定められています。

あの、ドリアンとかミクソリディアンとかいうわけのわからない名前のやつです。

 

ここでは簡単に、Key=Cにおけるダイアトニックとそのコードについて見てみましょう。

 

コードスケールの見方

 

で、ここからは例によって、アイオニアンとかリディアンとか難しい言葉が出てくるわけですけども。

注目してほしいところはその名前の部分ではなくて。

 

コードスケールというのは、

 

コードトーン + テンション3つ(9th、11th、13th)

 

だということです。

もちろん、コードスケールによってテンションに♭や#がつく場合がありますが、そこを厳密に覚える必要はなくて。(いずれ勝手に覚える)

 

今はただ、

コードスケールによって使えるテンションと使えないテンションがある

 

というところだけを注目すればよいと思います。

 

では、実際にみていきましょう。

 

ダイアトニック上のコードスケール

 

 

Ionian(アイオニアン)

Key=CにおけるI度、C(CMaj7)コードのときのコードスケールです。

要はドレミファソラティです。

ここで覚えるべきことは、4度の音がアボイド(回避すべき音)であることです。

 

その他のスケール上の音はテンションとして利用可能です。

したがって、例えばCコード上でメロディーでファを伸ばしたい場合は、Csus4にするかC5(パワーコード)にすることで回避できます。

 

 

Dorian(ドリアン)

Key=CにおけるII度、Dm(Dm7)コードのときのコードスケールです。

音階的には、レミファソラシドになります。

一般的にT13thはアボイドと言われていますが、モダンな理論ではOKにしていることもあり、アボイドなしとする風潮があります。

 

なので、Dmのときはスケール上どの音を用いていもよいことになります。

とはいえT13は使ってみて耳に違和感があれば避けたほうがよいでしょう。

 

 

Phrygian(フリジアン)

Key=CにおけるIII度、Em(Em7)コードのときのコードスケールです。

音階的には、ミファソラシドレとなります。

 

コードスケール唯一2つアボイドノートがあります。

 

フリジアンで使えるテンションは4度だけということになります。

 

 

Lydian(リディアン)

 

Key=CにおけるIV度、F(FMaj7)コードのときのコードスケールです。

音階的には、ファソラシドレミとなります。

 

 

リディアンにはアボイドがありません。

すべての音が利用可能です。

 

ジャズなんかではメジャー系コードでアイオニアンより使うと聞いたことがあります。

 

Mixolydian(ミクソリディアン)

Key=CにおけるV度、G(G7)コードのときのコードスケールです。

音階的には、ソラシドレミファとなります。

 

 

前述のとおりミクソリディアンはドがアボイドノートです。

ドミナントのときにドを伸ばしたいときは、G7sus4などにコード側をいじってあげる必要があります。

 

Aeolian(エオリアン)

Key=CにおけるVI度、Am(Am7)コードのときのコードスケールです。

音階的には、ラシドレミファソとなります。

 

 

エオリアンの場合は、6度の音(ファ)がアボイドノートです。

 

 

Locrian(ロクリアン)

Key=CにおけるVII度、Bdim(Bm7♭5)コードのときのコードスケールです。

音階的には、シドレミファソラとなります。

 

 

ロクリアンは2度の音(ド)がアボイドになります。

 

 

具体的な利用方法

 

で、これは中世から発展した音楽を分析した結果、多くのものに当てはまるよう体系化したものです。

実際これらのコードスケールをまとめると。

 

コードスケール コードトーン テンション
IMaj7 R, M3, P5, M7 T9, (S4), T13
IIm7 R, m3, P5, m7 T9, T11, T13
IIIm7 R, m3, P5, m7 (S♭2), T11, (S♭6)
IVMaj7 R, M3, P5, M7 T9, T#11, T13
V7 R, M3, P5, m7 T9, (S4), T13
VIm7 R, m3, P5, m7 T9, T11, (S♭6)
VIIm7♭5 R, m3, dim5, m7 (S♭2), T11, T♭13

 

ここで重要なのは一番右の部分です。

もっと簡単に書きます。

 

IMaj7のときは、4つめの音はNG

IIm7のときは、何も気にしない

IIIm7のときは、2つ目の音と6つ目の音はNG

IVMaj7のときは、何も気にしない

V7のときは、4つ目の音がNG

VIm7のときは、6つ目の音はNG

VIIm7♭5のときは、2つ目の音はNG

 

 

ということになります。

 

じゃあ、実際に作曲をして。

例えば、ストリングスなどの様々な対旋律を縫って行って。

 

最後にチェックをするのにコードをスケールを使うんです。

まさに右脳で縫って行ったアレンジを、左脳によって修正していくんです。

 

 

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みてみると、意外とアボイドを伸ばしちゃってるもんなんですよ。

上のはだいぶ修正した後のものですが、あとからじっくりみたらまだ右から二番目でアボイドを使ってる部分がありました。

 

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

 

作曲におけるコードスケールの使い方でした。

これを覚えておくと、より質の高いアレンジができるようになるので是非覚えておくといいと思います。

 

作曲人工が増えた現在、プロでもしくっちゃってることが最近は多くなっているそうなので。

 

 

くどしゅん
感性も大事だけど、そのあとは巨人の肩に乗ってチェックしていこう。
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