この記事は
- エレキギター をミックスがうまくいかない
- 打ち込みした音とうまく混ざらない
- ボーカルが聴きづらくなってしまう
方に向けて書いています。
DTMでもギターだけは録音!
昨今は自宅でもCDクオリティーの音楽が作れる時代です。
プロ用の数百万円する機材もPCやMac上で手軽に、低価格でエミュレートすることができるため、誰でも質の高い音楽が作れる環境を整えることができるのです。
仮想音源なども充実しているため、バンドのような音楽であってもDTMで作ることは可能なんですが。
それでもやっぱりエレキギター だけは打ち込みでそれっぽい音に仕上げることが難しく、演奏する方も多いと思います。
なんですが、いざ録音した音を他の打ち込み音源とミックスするとき、うまく混ざらなかったりしませんか?
すべて打ち込みの音楽であればうまくミックスできるのに、エレキギター が入るとミックスが難しくなる。。
今日はそんな方に向けて、エレキギター をミックスするコツを、
実際の筆者の音源のパラメータを見ながら紹介したいと思います。
この記事を実践いただければこのような質の高いミックスをすることができるようになります。
うまくミックスするコツ
まず100Hz以下は不要
100Hz以下の帯域は、もうバスドラム とベース専用と捉えて問題ないと思います。
その他のあらゆる楽器は100Hz以下をローカットするものと覚えておくとよいと思います。
EQは200Hzあたりをまず確認
で、エレキギター ってミックス上センターにはあまり置きませんよね。
リズムギターであってもリードであっても、たぶん両サイドにパンを振り切ると思うんです。
パワーコードのようなアレンジだとなおさら。
両サイドにギターを配置すると、もう200Hzあたりがもう渋滞するんですよ。
この帯域の音は、あらゆる楽器の基音が集中する周波数なんです。
例えは筆者の音源「ミッドナイトシャドウ」は、両サイドにマーシャルやメサブギーのハイゲインパワーコード刻みを配置しています。
実際これでEQがどうなってるかみていみると。
もう馬鹿みたいに削ってるでしょ?
実はEQ-コンプ-EQで段掛けしているので実際にはもっと削っています。
150Hzあたりにモヤっとするポイントがあるので、-9dBくらい。
200-300Hzあたりも基音が集中するので大幅にカットしています。
もちろん、アレンジや音色によります。
この楽曲はドラム、ベース、シンセ、ギターという構成のみですが、それでもスネアや、シンセ、ベースすべてにおいてこれらの帯域が鳴る楽器なので、ここを大幅に削らないとマキシマイズしたときにすぐに団子になるんです。
海苔波形にもなりやすいです。
だから、大胆に削りましょう。
ただ、前述のとおりアレンジや音色によってはそこまで削らない場合もあります。
筆者の音源「秋仕舞」をみてみると。(サビのクリーン/クランチ程度のカッティングギター)
スペクトラム上は、先ほどのミッドナイトシャドウの歪みギターよりも200-300Hzが出ていますが、あまり削っていません。
カッティングであるために、音が途切れるからそこまで団子にならずに済んでいるということでしょうね。
もうひとつのEQポイントは2kHz〜
で、ストラト系のギターであっても、レスポール系ギターであってもスペクトラムを見るとわかるんですが。
2kHz-5kHzにものすごいピークが出るんですよね。
さっきの上の画像両方みてみると。
どっちも2kHzあたりから上がすごい出ているのがわかると思います。
この帯域を狭いQで削ります。
すると、どうでしょう。ボーカルが抜けてくるようになるんです。
周波数のことはあまり筆者も詳しくないですが、声の温かみを司るのがそのあたりなのかもしれません。
他の楽器でもこのあたりにピークが存在していることが結構あって。
狭いQでブーストしてみると、ハウるポイントが大体その位置です。
なので、そういったポイントを削ってやると、より聴きやすいミックスになると思います。
ただ、ピークがある=その楽器のおいしいポイントである可能性もあるためやり過ぎには注意が必要です。
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コンプはどのようなアレンジかによって変わる
エレキギター をミックスするときのコンプの設定ですが。
これも音色やアレンジによってまちまちです。
非常におおまかにいえば、
- アタックタイムが遅いほど、ダイナミクスが出る
- リリースタイムが遅いほど、ダイナミクスが減る
というセオリーで、アレンジ上そのギターの音を前に出したいか引っ込ませたいかで決めていきます。
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前述のミッドナイトシャドウの場合は、音圧重視です。
両サイドのギターで壁のような厚みを出したい場合。
ダイナミクスは抑えて、アタックタイムは速く設定しています。
リリースは総合的に判断して100ms程度としました。
注目すべきは、ゲインリダクションで。
-8dBとかなり深めにかけています。
では、「秋仕舞」のカッティングギターの場合はどうでしょうか。
こちらは、カッティングのダイナミクスを残すためにアタックタイムを少し遅くして15ms程度にしています。
リリースタイムも「ミッドナイトシャドウ」よりは気持ち速い設定ですね。
RATIOは少し高めに設定していますが、ゲインリダクションは-3〜-4dBにしていたと思います。
こういったパラメータを設定するのは、経験が必要ですが。
筆者の場合は、単体のトラックであらかたのパラメータセッティングを行って、最後にすべてのパートを鳴らしながら再度調整を行なっています。微調整のときもあれば、大胆にアタック/リリースタイムを変更するときもあります。
それも、アレンジ上そのトラックを前に出したいか、引っ込ませたいかによって変更しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
DTMにおけるエレキギター のミックスのコツでした。
DTMにおいて一番難しいEQとコンプをうまく使いこなせば、あなたの音源のクオリティーも格段に向上します。
コンプもアナログ機器のモデリングを使ったりしますが、慣れるまではLogic標準のもので十分だと思います。
FET,Optなど種類も選べますから。
EQについては、もうFab Filter Pro-Q3が便利すぎてすっかりLogic標準のEQは使わなくなりました。
少し高いですけど、ミックスに一番大事なプラグインなので手に入れておくことをオススメします。