この記事は
- ラブライブ!スーパースター!!2期のOP曲が知りたい
- 「WE WILL!!/Liella!」のコードが知りたい
方に向けて書いています。
ラブライブ!スーパースター!!2期
2022年7月クールにて放送された「ラブライブ!スーパースター!!」の2期。
放送直後は「リエラの歌」がトレンドに上がるなど視聴者の期待度の高さが伺えます。
(あ、ちなみにリエラの歌の編曲は私の友人が担当しています。)
1期では5人体制だったLiella!も、2期で2年生となり新たに1年生4名を加え、王道のパーフェクトナインとなっていくようです。
果たして彼女達は、μ’s、Aqoursのようにラブライブ!で優勝することができるのでしょうか。
OP曲「WE WILL!!/Liella!」
今回もOP曲はLiella!が歌う、「WE WILL!!」。
といっても、パーフェクトナインとなった9人体制の新星Liella!です。
作曲はMotokiyoさん、作詞は宮嶋淳子さん、編曲を山下洋介さんが担当されています。
やはり、これからのラブライブは畑亜貴さんをリスペクトしつつも、新たな作家さんに移行していく感じでしょうか。
余談ですが、確かラブライブ!って作曲を自身で行わなければならないコンテストだったように思うんですが。
女子高生がこの質の曲作れるなんてすごいなぁ。。とフィクションながら戦々恐々としています。
実際、ボカロ界隈では10代の方の活躍が結構ありますからね。
筆者もボカロで活動中です!「WE WILL!!」のコードを確認前に、30秒でも視聴いただけると嬉しいです!
それでは楽曲について分析していきたいと思います。
メロディーコード分析
当ブログのコード譜の見方
当ブログでは、まず聴いた印象を言葉にしてから、コードを採取しています。
印象を確認する際は2行、最終的にコード譜4行の表となります。セルは2拍単位です。例えば以下のような表示になります。
(冒頭歌詞)
コード | 例:CMaj7 |
度数 | 例:IMaj7 |
印象 | 例:たのしい、悲しい |
メロディースケール | C Major penta |
キラキラ光る〜
E♭/G | E♭m | D♭/F | G♭ |
II/♭V | IIm | I/III | IV |
ワクワク | → | → | → |
B♭m penta+T9 | → | → | → |
歌い出しは、Aメロ前半と同様ですので、その後のイントロから見ていきたいと思います。
イントロ
印象
? | ? | ? | ? | ? | ? | ? | ? |
元気! | → | → | → | → | → | → | → |
? | ? | ? | ? | ? | ? | ? | ? |
賑やか | → | → | → | → | → | 続く | → |
まず「元気!」な印象ですよね。
ラブライブOPなのに単調の鬱屈とした曲調はあり得ません。彼女達が仲間と切磋琢磨し、大会優勝を狙う。
その喜びを表現するようなイントロです。
「賑やか」といった印象もあり(今回仲間が増えますしね)、歌に入る手間には「続く」といったイメージが湧きました。
どんなふうに感じたかを書き留めておくことはとても重要なんだよ。
分析結果
E | A | B | E、B/D# | C#m | G#m | A | B |
I | IV | V | I、V/VII | VIm | IIIm | IV | V |
元気! | → | → | → | → | → | → | → |
E | A | B | E、B/D# | C#m | E/G# | D | |
I | IV | V | I、V/VII | VIm | I/III | ♭VII | |
賑やか | → | → | → | → | → | 続く | → |
Key=Eです。
I-IV-V-Iと、超王道進行をしていきます。
「元気」や「賑やか」さの由来は、スネア主体のビートと、派手に動くシンセのサウンドによるものでしょう。
IIImとI/IIIは実は一音しか違わないのですが、前者のほうが重たく響きます。
ギター一本で歌う場合はどちらでもよいと思いますが他の楽器もアレンジをするとなると、この2つのコードによってアボイドが異なるので考慮するといいと思います。
そして歌直前のコードはDコード(♭VII)でした。SDmと呼ばれるやつです。
単調由来のコードですが、♭VIや♭VIIは本当によく使われます。
調性外のコードなので新しい世界への扉的なサウンドになるのですが、
この曲での使われ方だと、サブドミナント的に聞こえるので個人的に不思議でした。
Aメロ
印象
いつだって〜
? | ? | ? | ? | ? | ? | ? | ? |
ワクワク | → | → | → | → | → | キラキラ | → |
どれだけ〜
? | ? | ? | ? | ? | ? | ? | ? |
走り抜ける | → | → | → | → | → | 正解に | 向かって |
一緒に笑って〜
? | ? | ? | ? | ? | ? | ? | ? |
派手になる | → | → | → | → | → | → | → |
もっと強く〜
? | ? | ? | ? | ? | ? | ? | ? |
寂しい | → | → | → | 元気が | 戻る | → | → |
Aメロは「ワクワク」とした印象から始まります。
4小節目では「キラキラ」とした印象にもなりますね。
5小節目からは「走り抜ける」フィーリングを感じたあとに、「正解に向かって」となりました。
基本的に8小節でひとまとまりで、2回目も同じなのですが印象は「派手になる」感じです。
そしてそのままBメロに突入するのかと思いきや、「寂しくなる」。だけどもすぐに「元気が戻る」というふうにイメージが遷移していきました。
分析結果
いつだって〜
E/G# | A | Bsus4 | E、B/D# | C#m | E/G# | A | B |
I/III | IV | Vsus4 | I、V/VII | VIm | I/III | IV | V |
ワクワク | → | → | → | → | → | キラキラ | → |
C#m penta+T9 | → | → | → | F#m penta +T9 | → | C#m penta+T9 | → |
どれだけ〜
E/G# | A | Bsus4 | E、B/D# | C#m | E/G# | A、B | E |
I/III | IV | Vsus4 | I、V/VII | VIm | I/III | IV、V | I |
走り抜ける | → | → | → | → | → | 正解に | 向かって |
C#m penta+T9 | → | → | → | F#m penta +T9 | → | → | → |
一緒に笑って〜
E/G# | A | Bsus4 | E、B/D# | C#m | E/G# | A | B |
I/III | IV | Vsus4 | I、V/VII | VIm | I/III | IV | V |
派手になる | → | → | → | → | → | → | → |
C#m penta+T9 | → | → | → | F#m penta +T9 | → | C#m penta+T9 | → |
もっと強く〜
E/G# | A | Bsus4 | E、B/D# | C#m | G#m | A | B |
I/III | IV | Vsus4 | I、V/VII | VIm | IIIm | IV | V |
寂しい | → | → | → | 元気が | 戻る | → | → |
F#m penta +T9 | → | → | → | → | → | → | → |
I-IV-V-Iを少し変化させたI/III-IV-V-Iという進行です。
トニック、サブドミナント、ドミナントとストレートに展開していきます。
ここでの「ワクワク」や「キラキラ」の由来はギターのアルペジオやカッティングによるものでしょう。
「走り抜ける」感じはルートがIII-IV-Vと上昇していく感じやビートによる総合的な理由によるものだと思います。
「正解に向かって」はここでIV-V-Iといった解決を見せるためですね。
9小節目からの「派手になる」はここでイントロにあったシンセが再び入ってくるためです。
普通歌メロのバックでここまで動くシンセはメロディーを邪魔しがちなんですが、うまく棲み分けされて、「仲間が増えた」ようなイメージにできていますね。
13小節目の「寂しくなる」はここでギターのみになるためです。
やや変則的なAメロでここでメロデイーも変わってくるんですよね。
そしてまたすぐにバンドが戻ってきて「元気が戻る」。
元気なアレンジに対し、メロディーはC#マイナーペンタ+T9とF#マイナーペンタ+T9の双方を使って、
MiFaやTiDoの半音部分を効果的に使った繊細なメロディーとなっています。
曲調自体がとっても元気なものだからメジャーペンタ(DoReMiSolRa)でダイナミックにすれば、
より元気な歌になったかもしれませんが、Liella!のイメージからすると少し繊細さを残したほうがよかったのかもしれません。
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Bメロ
印象
準備はいいかな〜
? | ? | ? | ? | ||||
モヤっとする | → | 加工する | → | → | → | 明るさ戻る | → |
てっぺん〜
? | ? | ? | ? | ||||
ホップステップ | → | → | → | 歓声上がる | → | → | → |
胸が高鳴る〜
? | ? | ? | ? | ||||
→ | → | 新世界へ | → | まだ行かない | → | ついに向かう | → |
Aメロが変則的な終わり方をするんですが、Bメロもなんか変な感じから始まります。
「モヤッとする」から「下降していく」感じになり、4小節目で明るさが戻ってきます。
5小節目からはだんだんと成長していく彼女達がイメージされたので「ホップステップ」「歓声が上がる」ような盛り上がりを見せて、
最後に「いざ新世界へ」となりつつも、その後2小節で「まだ行かない」→「ついに向かう」といった
紆余曲折するような印象となりました。
分析結果
準備はいいかな〜
A#m7♭5 | A | G#m | C#sus4 | C | |||
#IVm7♭5 | IV | IIIm | VIsus4 | V | |||
モヤっとする | → | 加工する | → | → | → | 明るさ戻る | → |
C#m penta+T9 | → | → | → | F#m penta +T9 | → | → | → |
てっぺん〜
F#m、G#m | A | F#m、G#m | A | B | |||
IIM、IIIm | IV | IIM、IIIm | IV | V | |||
ホップステップ | → | → | → | 歓声上がる | → | → | → |
C#m penta+T9 | → | → | → | F#m penta +T9 | → | → | → |
胸が高鳴る〜
B | C、D | B | |||||
V | ♭VI、♭VII | V | |||||
→ | → | 新世界へ | → | まだ行かない | → | ついに向かう | → |
F#m penta +T9 | → | → | → | → | → | → | → |
Bメロの「モヤッとする」正体は、#IVm7♭5でした。
このコードはトニックにもなりうるコードらしいです。基本的にはSDmなんでしょうか。
ルート以外の構成音はKey=E内です。Key=Bからの借用って感じになるんじゃないかと思います。
そのコードから「下降する」は#IV-IV-IIIとそのまま下がっていくからですね。
4小節目のC#は、通常ですとC#mになるはずなんですが、この次に現れるコードがF#mであるため、
Key=F#mのドミナント・モーションと解釈できます。
「ホップステップ」は、「下降する」の逆ですね。コードが上昇していってます。しかも2回。
そしてドミナントを打ち伸ばして、C-D-Eとつながるかと思いきや、再びBで伸ばすという奇をてらった進行をしています。
正直ここでEにいかんのかい!とツッコミたくなりました。
こういうのってアニソンが89秒でなければならないための策だったりするんでしょうか。
でも歌は歌えないんですよね。。
ならボーカロイドで作曲をはじめてみたらどうだろう?
歌が歌えなくても歌を作るボカロPになれば君も立派なアーティストだよ。
参考までに筆者の曲を紹介しておくね。
サビ
印象
このとき〜
? | ? | ? | ? | ||||
走る | → | 成長 | していく | → | → | → | → |
出会えたから〜
? | ? | ? | ? | ||||
壁を | 乗り越えて | → | → | → | → | → | → |
行けるよ〜
? | ? | ? | ? | ||||
仲間が | 揃う | → | → | → | → | 苦しみ | 乗り越え |
だってもう〜
? | ? | ? | ? | ||||
→ | → | → | → | 叶えても | → | → | → |
WE WILL〜
? | ? | – | – | ||||
夢は | 終わらない | → | → | – | – |
サビは「走る」感じや「成長していく」イメージです。
夢に向かって走っていく少女たち。青春ですね。まさにティザービジュアルのようなイメージです。
5小節目では、「壁を乗り越えて」といった苦難を克服していくやや苦さなんかも出ています。
9小節目では、Liella!がパーフェクトナインになった日のような「仲間が揃う」ようなイメージとなりました。
ただ、それでもまた訪れる「苦しみを乗り越え」
最後は「叶えても」「夢は終わらない」といった清々しい終わり方をしています。
分析結果
このとき〜
E | A | B | E | B/D# | |||
I | IV | V | I | V/VII | |||
走る | → | 成長 | していく | → | → | → | → |
C#m penta+T9 | → | → | → | F#m penta +T9 | → | → | → |
出会えたから〜
C#m | E/G# | A | Bsus4 | B | |||
VIm | I/III | IV | Vsus4 | V | |||
壁を | 乗り越えて | → | → | → | → | → | → |
行けるよ〜
E | A | B | G#7/C | ||||
I | IV | V | III7/#V | ||||
仲間が | 揃う | → | → | → | → | 苦しみ | 乗り越え |
F#m penta+T9 | → | → | → | → | (C bending) | → | → |
だってもう〜
C#m | E/G# | A | Bsus4 | ||||
VIm | I/III | IV | Vsus4 | ||||
→ | → | → | → | 叶えても | → | → | → |
→ | → | → | → | C#m penta +T9 | → | F#m penta+T9 | → |
WE WILL〜
Esus4 | E | – | – | ||||
Isus4 | I | ||||||
夢は | 終わらない | → | → | – | – | ||
→ | → | → | → |
イントロからサビを通して、転調をしないという曲でした。
アニソンが1コーラス内で全く転調しないのって結構珍しいと思うんですよね。
とくにラブライブサンシャインの曲は、めちゃくちゃ転調しています。
そのアンチテーゼなのかもしれません。(もしくは昨今のトレンド)
どトニックから始まるために、「走る」ようなイメージとなったのでしょうか。
コードもI-IV-Vと上昇していくために「成長していく」となったように思います。あとはシンセのジグザクするフレーズも影響したと思います。
「壁を乗り越えて」というのはここのコードがVImというマイナーコードだからでしょう。
基本的にサビなのでコードはとってもシンプルです。
ですがやはり12小節目に、III7/#Vというコードが出てきます。VImに解決させるためのドミナント・モーションです。
これがあると、とにかく泣けるし切なくなる。
したがってここは「苦しみ乗り越え」となりました。
注意点として、このコードは調性外の音が使われているために、メロディーもそれに合わせてベンドします。
Key=Eの場合、Cは#がつきますがここのメロディーはコードに合わせてナチュラルCにベンディングしています。歌うときに注意しましょう。
最後の2小節は、sus4を経由してトニックです。
その前のBsus4。
当ブログでは度々、VではなくVsus4という記載をするんですが、耳でとった感覚もありますが、それは別にメロディーがDoで伸ばされていた場合もsus4表記となります。
V度コードのアボイドはDoであるためです。
作曲しているとやりがちなので注意しましょう。
心揺さぶってくれた方々に本当に感謝!
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
昨今の流行りは転調なしなんでしょうか。
ストレートに突っ走る爽快な曲となっていました。
なんとなく、個性が爆発しているサンシャインのような子たちではなく、
ちょっぴり落ち着いた感じ(それでも強烈な個性ですが)のLiella!を表現してるのかもしれませんね。
果たして彼女たちはラブライブで優勝できるのか?
結末を見守りたいと思います。