この記事は
- みちしるべ/茅原実里の楽曲について知りたい
- 感動の要因についてしりたい
- 歌詞の考察がみたい
方に向けて書いています。
完結編ついに公開
劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンがついに公開しました。
その映画の感想はこちらで書いたのですが。
この記事は 劇場版ヴァイオレットエヴァーガーデンの感想がみたい なぜこの作品が胸を打つのか知りたい ひと味違った感想が観たい 方に向けて書いています。 ※以下、ネタバレを含みますので未見[…]
映画の本当にいいシーンで、テレビシリーズのエンディングテーマである「みちしるべ」が流れます。
改めて聴いてみて、もう涙腺が崩壊するいい曲なのです。
TVシリーズでは、エンディングは1コーラスのみで、あえてピアノだけのアレンジセクションが選ばれていますが、
フルコーラス聴くと重厚なストリングスが本当に素晴らしく、こういった曲こそ後世に残るべきだよなぁなんて考えてしまいました。
(この素晴らしいストリングスアレンジの部分はTV版10話でも用いられています。)
賛否の分かれる曲
僕の中では本当に名曲に属するのですが、巷での評価は二分していて。
ボカロかと思っちゃいました。。
という声もあるようです。
でも、そんな人はカップリングの曲も聴いてみてほしいのです。
彼女の本来の歌い方は、「みちしるべ」のような歌い方ではないんです。
あえて、表現としてあのように歌っていることがわかります。
最初はまるで機械のような人間だった無機質なヴァイオレットが、人間として成長していくさまを歌い方でうまく表現しているのではないか?
と僕は考えるようになりました。
なのでビブラートもあまり用いず、エモーショナルにも歌い上げない。
そうディレクションしたんだと思うんですよね。
これ、すっごい高度なことだと思います。
実はビブラートをさせない歌い方ってかなり難しいですから。
そして、この曲が制作陣にも非常に愛されていることがわかります。
サウンド&レコーディングマガジンの中で音響監督である鶴岡さんは「通常シーンの最中で歌モノを入れることはしない」とおっしゃっています。
しかしこのシーンにはやはりコレだ!!と確信したそうで使うことにしたそうです。
みちしるべ/茅原実里の歌詞
アニメーションのエンディングテーマということで、物語の余韻に浸れるような曲でなければなりません。
作詞を担当した茅原さんもかなりのプレッシャーだったようです。
主人公であるヴァイオレットと、愛を教えた上官であるギルベルトの関係が親子のように感じられたため、「みちしるべ」のような包み込むような暖かい歌詞になったようですが、具体的にみてみましょう。
Aメロ
※著作権保護のため歌詞は一部のみ引用
一羽の鳥が (中略) わたしを探して
みちしるべ/茅原実里
荒れた世界の中で、幼い少女をみつけたギルベルトを表現しているように思われます。
想像するに羽根を持つ鳥のほうがギルベルトで、「わたし」がヴァイオレットでしょう。
サビ
優しさで (中略) あなたを守るために
みちしるべ/茅原実里
彼女に文字や言葉を教え、育てたギルベルトの愛の深さが表現されているように思います。
この包み込むような暖かさがこのセクションのテーマなのでしょう。
Aメロ2
色なき風が (中略) 懐かしい香り
みちしるべ/茅原実里
2コーラス目から他者の視点も入ってきます。
劇中では戦争直後の時代設定であるため、故郷や家族に対する思いが度々テーマとなります。
「希う」は「こいねがう」。強く思い願うことです。
サビ2
遠く幼い (中略) ”ひとり”としった
みちしるべ/茅原実里
ここもやはり包み込むような優しさを感じる歌詞です。
愛を知るということは、それまでが「孤独だった」と知ることです。
彼女は「泡沫(うたかた)」の夢から覚め、愛を知ることができたのでしょう。
展開
授けられた翼を (中略) ひとりじゃない
みちしるべ/茅原実里
翼は「自由」や「独り立ち」を彷彿とさせます。
鶴岡監督がこの曲を映画の1シーンで使いたかったのも、ここのセクションが絡んでいると思います。
ヴァイオレットが明確な意思をもつシーンだからです。
翼という歌詞が映画のシーンとうまくリンクしています。
だめだぁ泣いちゃう。
サビ3
この街に (中略) めぐり逢えた
みちしるべ/茅原実里
ヴァイオレットは、ギルベルトのみに育てられたわけではありません。
ドールという仕事を通して、また人間として成長していきます。
ここでいう「あなた」というのはドールの仕事仲間達のことではないか?と解釈しています。
テーマが「家族」でもあるので、家族のように迎えてくれたホッチンズやカトレア、ベネディクト、アイリス、エリカ、ローランドを総称しているのではないかと。
アウトロ
一羽の鳥が (中略) 明日を探して
みちしるべ/茅原実里
この鳥は冒頭の鳥(ギルベルト)ではなく、ヴァイオレットのことだと解釈しました。
愛という翼を持った彼女が明日へ向かって歩いていく。
そんな姿を想像しました。
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楽曲構成
全体
Tempo | 87 |
Key | A Major |
歌の音域 | 1.5オクターブ |
Bメロがない、VerseChorus構成の曲です。
単調になりがちなのですが、Bridgeやコード、メロディーを少し変えることにより回避しています。
1コーラスあとからのバンドアンサンブルなってからを見てみたいと思います。
Interlude
IV始まりにすることでストーリーが続くイメージがしますね。
単純にするとIV-V-IIIm-VImですが、分数コードにすることでより美しい和音となっています。
IIImは少しくらい雰囲気が強いので、I/IIIを利用することが多いですね。
♭IIIはマイナーキーから借りたコード。キーから外れるので少し浮いた感じやとまどいが演出されています。
Verse
A Major Pentatonicを軸にしています。一箇所だけTiの音も使われています。
コード進行的にはInterlude同様、ところどころ分数コードにすることで滑らかさが出ています。
進行自体、Do-Ti-La-Sol〜という順下降していく進行なので滑らかさがキモですね。
Chorus
こちらもペンタですが、要所要所でFaとTiが使われていますね。
2回目のコーラスは、その後Verseには戻らずBrigdeに続けるために、歌メロとコードが若干異なります。
Cmaj7はKey=Amから借りてきたコード♭IIIMaj7といった解釈でしょうか?
新しい展開を感じさせる転調感、場面転換を感じさせるコードですね。
Bridge
♭VI-♭VII-Iというのはよく使われる進行です。
♭VIと♭VIIが、マイナーキーから借りてきているコードで転調感があり、壮大な世界観を演出する際によく使われます。
ドミナントのあとにすぐにIに戻らず、さらに展開させたいときも使いますね。
F-G-♭A-♭B-Cみたいな。
特筆すべき点
ストリングスの駆け上がり、ヤバい。
大サビの頭がノンコードとなり、VIm-V-#IVm7♭5と進行する。
やはり感動を左右させるコードとして、#IVm7♭5が非常に重要な役割をするんだと思います。
このコードは、ShinyDaysでもLaughterでも使われています。
新型コロナウイルスの外出自粛でアニメをよくみています。 ゆるキャン△について、アニメもドラマもみました。 (ドラマ版の部長カワイイ。。あとちくわもw) で、アニメ版のOPテーマソングのS[…]
大サビの繰りかえし部分で、D-D/B-C#sus4-C#という進行。
C#はF#mに解決するセカンダリードミナントとして解釈し、しかしDに進行する偽終止かなと思います。
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カテゴライズ
この曲みたいなものが欲しいとき、自分ならなんてオーダーするだろうか。
すべてを包み込むような、壮大でそしてやさしいストリングスセクションの入ったバラード。
物語の余韻に浸れるような曲。
としてオーダーするでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この曲を生んでくれた、茅原実里さん!菊池大介さん!
ギターの馬場一人さん!
ベースの田辺トシノさん!
ドラムの岩田ガンタ康彦さん!
ピアノの菊池亮太さん!
室屋光一郎ストリングスさん!
多くの制作に携わった方々!
本当にありがとうございます。
僕は自分が感動したくて、そしてできればさせたくて生きています。
この作品、この曲に出会えたことは僕の人生の大きな指針、「みちしるべ」となるでしょう。
そしてまた、こんな心が震えるものを求めて音楽を続けるのです。