この記事は
- TVアニメ「その着せ替え人形は恋をする」のED曲が知りたい
- 「恋ノ行方／あかせあかり」のコードが知りたい
方に向けて書いています。
TVアニメ「その着せ替え人形は恋をする」
2022年1月クールにて放送された、TVアニメ「その着せ替え人形は恋をする」。
雛人形の頭師を目指しながらも陰キャな五条新菜と、陽キャにもかかわらずコスプレ好きという喜多川海夢の青春ラブコメです。
このクール、鬼滅の刃遊郭編や進撃の巨人Finalの最終シーズンが放送されており、強豪揃いなクールなんですが。
その中でもとりわけ人気を誇るアニメーションです。
前回はOP曲を分析しました。
この記事は TVアニメ「その着せ替え人形は恋をする」のOP曲が知りたい 「燦々デイズ／スピラ・スピカ」のコードが知りたい 方に向けて書いています。 TVアニメ「その着せ替え人形は恋をする」 &n[…]
今回はED曲についてみてみたいと思います。
ED曲「恋ノ行方／あかせあかり」
ED曲を担当するのは、あかせあかりさん。
コスプレイヤーとして活動するも、今回は歌い手としてメジャーデビューされた方だそうです。
独特の浮遊感のある楽曲で、アレンジャーさんの技が光楽曲ですね。
メロディー＆コード分析
イントロ
印象
イントロでは、「弾む感じ」や「洋楽感」が連想されました。
４小節目ではこの曲の雰囲気を代表するような「浮遊感」のようなものも感じます。
そして最後に「オシャレ」な雰囲気を感じて歌に突入します。
どんなふうに感じたかを書き留めておくことはとても重要なんだよ。
分析結果
Key=E♭です。
「弾む感じ」はアレンジの妙だと思います。音楽というのは音の連続ですが、ところどころに空白を作ることで心が弾むような雰囲気にしていると解釈しました。
「洋楽感」の由来は♭VIIですね。ルートの動きがDo→Teとなることで、短調由来のコード進行になるわけですが、それがいかにも洋楽っぽく感じるんです。（筆者だけかもしれませんが）
そして「浮遊感」も同じ♭VIIです。このコードを使うタイミングで印象が異なるのが面白いですね。
小節には強小節（1,3小節）と弱小節（2,4小節）がありますが、どちらも弱小節で使われています。
そして、最後の「オシャレ」ですが。
ここの進行がIIm-IIIm-IVmというマイナーコードが３連続しています。IVmは短調由来のコードなのでここで一瞬切なさを醸し出して、
最後に♭V7(9)でオシャレ感を演出しています。
この♭V7は一体なんなのか？
実はこの後に続くコードがA♭Maj7なんです。
これをIと捉えますと、A7(9)というコードは♭II7(9)になるわけです。
つまり、E♭7の裏コードです。E♭7-A♭（V-I）というところをA7-Af♭（♭II-I）としているということですね。
かつエレピというテンションを入れやすい倍音豊かな楽器で9thを入れてオシャレにしているということです。
Aメロ
印象
Aメロは「ハッとする」という印象が１小節おきに登場するようなイメージとなりました。
これは、どちらかというとリズムアレンジによるものでしょうね。
音楽というのは、メロディー、ハーモニー、リズムの３つの要素でできています。
リズムというのも、印象を演出する大事な要素であることがわかると思います。
分析結果
この曲は全体的にオシャレな印象があるんですが、Aメロのように４和音で構成されているからでしょうか。
コード進行自体はIV-V-IIIm-VImという王道の進行です。やはり、印象を決定しているのはリズムの部分と言えるでしょう。
この「ハッとする」は１小節目と５小節目が一番強く感じるわけですが。
どちらも強い小節で、かつこの部分はメロディーがメジャーペンタトニックでダイナミックに動くため、その印象をより強くすることに成功しています。
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Bメロ
印象
Bメロは「けだるい」という印象になりました。
５小節目ではより重い「悩ましい」というイメージとなり、最後の２小節で「わからなくなる」、「ドキっとする」印象となりました。
喜多川海夢が恋に落ちてしまうところをアレンジャーも表現したかったのではないでしょうか？
まさに作り手の腕の見せ所という感じです。
分析結果
「けだるい」の印象は、オシャレのエレピが４和音を響かせながらもリズムが平坦になるためと解釈しました。
「悩ましい」はやはりIVmですね。
で、最後の「わからなくなる」、「ドキっとする」は、あれですね。
パラレルモーションです。
パラレルモーションとは、コードの度数関係を保ったまま上昇、下降していく動きをいいます。
なのでダイアトニックコードを完全無視してメジャー或いはマイナーコードが連続していきます。
調性感がここで失われるために「わからなくなる」。
最後のBm/EというのはE7(9)とも捉えられるので、ドミナント的な機能となり「ドキっとする」でしょうか？
サビのあたまE♭mに続けるための♭IIとも捉えられますね。
いやあ筆者自体もどういう着想でこの進行にしたか知りたいところです。
でも歌は歌えないんですよね。。
ならボーカロイドで作曲をはじめてみたらどうだろう？
歌が歌えなくても歌を作るボカロPになれば君も立派なアーティストだよ。
参考までに筆者の曲を紹介しておくね。
サビ
印象
サビはシンプルに「穏やかで優しい」感じが連想されます。
４小節目ではしっかりと「明るい」雰囲気を感じることもできます。
基本的にはその印象の連続となりますが、１６小節目で「切ない」印象に様変わりします。
最後は「続いていく」という印象となりました。
二人の関係を描いているようなイメージです。
分析結果
ここで転調します。Key=G♭ですね。
VImというマイナーコードで始まるけれど、「穏やかで優しい」印象となる理由はその後に続くIIメジャーによるものでしょうか。
ダイアトニックだとIIはIImになるはずがIIとすることで暗さが半減します。
そして「明るい」は素直にIに解決するからでしょうね。
「切ない」の由来はやはりIVmです。
そこから元の調に戻るために、♭IIIdim7-II-IIIと進行させることでKey=E♭に戻りやすくしています。
（II-IIIをE♭からみるとIV-Vとなる）
非常に美しい進行で、転調しただけでは終わらない。しっかり戻るというところから「続いていく」印象となったのでしょうか。
そして、面白いのがメロディーなんです。
終始、どメジャーで展開するんですよね。ここまでドレミソラだけで作られたサビ、初めてみました。
しかしながら最後は、マイナーペンタ＋T9に切り替えて、切ない印象を残しているところもミソです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか？
最初このアニメを見始めたときは、「恋をする」というのは海夢がキャラクターに恋をするのだと思っていましたが。
展開をみると、五条新菜に恋をするということなんですね。今更気づきました。
この曲の歌詞は詳しく分析していませんが、海夢が新菜に恋をする心の描写が描かれているようです。
そしてエレピの穏やかで優しい音に、ボーカルの声も相まって非常に多幸感のある曲に仕上がっていると思いました。
