この記事は
- 新星ボカロエディタ「
Cevio Pro」「VoiSona」のレビューが知りたい - 知声(Chis-A)での歌わせ方が知りたい
- Logicで使えるか知りたい
方に向けて書いています。
Cevio Pro(仮)改め VoiSona
2022年6月に、あらたにCevio Pro(仮) VoiSonaというボカロエディタがリリースされました。
6月現在、β版ということで正式リリースではありませんが、現状無料で利用できプラグインにも対応しているため、ボカロPたちが早くも自作品に利用し初めています。
筆者はこれまで初音ミクNTというソフトで制作を行なっていました。
ボカロ歴は丸1年というところです。
おかげさまで2022年島村楽器主催の録れコンで、審査員特別賞を受賞しています。
が、今年はまた別のボカロで作曲をしようと思っていたため、ちょうどリリースされたCevio ProVoiSonaを使ってみた所感について書いてみたいと思います。
なお、2022年最新のボカロの始め方については別途記事にしており、Cevio ProVoiSona情報も更新しております。
この記事は これからボーカロイドを始めたい 何を買えばいいかわからない 方に向けて書いています。 なお、著者も2021年から参入し、現在の最新情報をまとめた記事となります。[…]
知声(Chis-A)
今回はAIを搭載した、新しいボーカルエディタということでボイスライブラリも新しい「知声」というキャラクターとなっています。
知声自体は無料で利用できますが、今後有料のボイスライブラリも増えていくことになるかと思います。
なんですが、この標準搭載された知声の声がすごくいいんですよね。少しハスキーというか、中性的でドストライクです。
ボカロの声ってどこぞの声優さんの声をキャプチャーしたり、アニメ声的なものが多い印象ですし、初音ミクの声はカワイイ系ですし、なんというか自分の楽曲には、合わないのばっかりだなぁと思っていたんですよね。
なんですが、知声の声。いいです。
ヨルシカのsuisさんの声をもう少しボーイッシュにした感じです。
プラグイン規格はVSTだけども
なんですけども。
筆者が利用しているのはApple Logicです。プラグイン規格はAudioUnit(AU)というものであり、
Cevio ProVoiSonaはAUに対応していません。
スタンドアロンならば動作しますが、いろいろと面倒ですし、設計自体プラグイン上での動作を主体としているようなんです。
なので、採用は見送りかなーと思っていたところ。
こちらのTipsサイトでは、「BlueCat’s Patchwork」という有料プラグインを入れることで動作可能であることがわかったため、試しに購入してみました。
Logic Pro 単体だとvst3が使えないので、BlueCat’s Patchwork で試したら動作しました。
環境は Intel Core i5 の Catalina です。 https://t.co/HN7Gt6D1Ni pic.twitter.com/XdJc6djdCD— Tsukasa Fujita (@mutyasensei) February 24, 2022
ちなみに筆者の環境も、Intel Core i5のCatalinaです。
PachWorkを入れても、Logic上のプラグインリストにCevio Proが表示されるようになるわけではないので多少手惑いましたが、問題なく動作することは確認できました。(Fujitaさま貴重な情報ありがとうございます)
Logicでの使い方
PatchWork自体のインストールは他のサードパーティ製プラグインと変わりありません。
インストールしたら、Logicを再起動することでプラグインのリストに追加されます。
問題はここからです。
プラグインをインストゥルメンタルとして追加すると、このようなウィンドウが開きます。
このPatchWorkはVSTプラグインを動かす以外に様々なことができるようで、インターフェースが複雑なんですが。
今回のような使い方の場合、PREのところの+をクリックして、「Load VST3」をクリックすればよいようです。
(筆者OS言語を英語にしているため、表示は少し異なるかもしれません)
そうすると、MacのVST3プラグインがまとめられているフォルダが開くので、「Techno-Speech」フォルダを開き、
「Cevio Pro Song.vst3」「VoiSona Song.vst3」を選択することでプラグインとして起動ができます。
以降の使い方については、マニュアルサイトがあるのでおそちらを参照してください。
レビュー
というわけで、無事プラグインとして起動することができましたので、使ってみた感じをお伝えします。
ここから都度更新として、日々使い勝手について書いていきたいと思います。
※以下はまだCevioPro(仮)時代に作成したものですので、記載がCevioProとなっております。
テスト
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まずはテストで簡単な曲を打ち込んで歌わせてみました。歌詞間違えたけど。(曲「Freedom/ポールマッカートニー」)
数カ所ビブラートを設定しましたが、他はベタ打ちです。
所感として、初音ミクNTに比べるとビブラートの設定がちょっと面倒です。
ちょっととっつきにくいんですが、このあたりのUIも今後改良されていくかもしれません。
作曲3日目
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ここからは、自作曲で使用していきます。
(本当にこれから作るので、これが知声にあう曲になるかどうかもわかりません。)
初音ミクNTを使っていたときは、動作が非常に重いのでフルコーラス、アレンジがある程度固まるまでボカロは起動せずにメロディーをエレピか何かで入れたもので代用して作曲をしていたんですが。
今回はテストも兼ねてメロディーを早々にCevio Proに読み込ませてみました。
読み込みは、MIDIファイルではなくMIDI Transfer機能を利用しています。
所感としては、かなりMIDIを正確に打ち込まないといけません。
少しでもノートに重なりがあると、カットされてしまいます。
このあたりはまだα版だから仕方ない部分ですね。
ただ、初音ミクNTに比べてレンダリングがリアルタイムであるため、待つ必要がなくストレスがありません。
動作も軽いです(初音ミクNTと比べて)。
ベタ打ちですと知声は音名で歌ってくれます。
作曲10日目
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一旦知声さんには黙っていただいて、他のアレンジと2コーラスやブリッジの拡張作業をしました。
CevioPro、初音ミクNTに比べて軽いのでそのまま作曲や編曲もできるんですが。
音名で歌われるとコーラスが入れづらいのと、音名で歌われた場合、自分の中での相対音感が鈍りそうだったので。
(大した音感はありませんが)
Key=Dだったら、D音をDoとして歌って欲しいんだよな。
筆者の場合、バークリー式のDoDiReRiMiFaFiSolSiLaLiTiDoのほうで歌ってくれたほうがうれしい。。
まあ、CeVioPro上でKeyも指定していないので無理もない。ということで一旦シンセで作曲を進めます。
作曲11日目
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CeVioPro(仮)のレビューとは全く関係ありませんが、歌詞を考えました。
久々5時間くらいかかってしまいました。
ボカロ Pとして定期的に作曲する上で歌詞ができていないのは、それなりのクリティカルパスになります。
だから、とにかく何でもいいから1日で絞り出して第一稿を完成させます。
調声段階になってまた閃いてよい歌詞になっていくように。
筆者の場合、2ー3週間で一曲仕上げていってますが、もうその段階で第二稿になってると思います。
作曲12日目
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調声を開始しました。
うん、とってもいい。
初音ミクよりも断然ベタ打ちで、いい感じに歌ってくれます。これがAIってやつか。
ブレス入れなくても勝手にしてくれるし。
ただやっぱりビブラートの調整が難しいですね。
あと、今回の場合「シャイニングロード」の「ド」をしっかり言って欲しいんですが、子音「d」がどうやってもうまくいきません。
「Roads」ならうまくいくんですけどね。
まあいいか。
作曲15日目
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というわけで、ギターを入れてミックスして仕上げました。
結局、「d」の調声がどうやってもうまくいかなかったので、最終手段で子音だけ筆者が歌って録音しました。
それと出来上がってみて思ったんですが、音程が♭気味に聞こえます。
というのもAIのせいかわかりませんが、自動でしゃくったり、音程が上がりきらないような演出を勝手にしてくれるようです。
このあたりは、ピッチの修正で直せます。
このあたりも今後改良されていくのかもしれません。
いや、しかしボカロの進化すごいです。
ぶっちゃけ、初音ミクNTより質が高いものが作れます。
もちろん、ミクのほうがやりやすい部分もありますが。
完成!
というわけで完成品です。
もうほんと人が歌ったCDと遜色ありません。
それはボカロの質ももちろんですが、ミックスによるものが大きいです。
筆者、作編曲、録音、編集のすべてを自宅のiMac一台で行っていますが、それでもこの質で作ることは可能です。
みなさんも、作曲とミックスに磨きをかけて是非、ボカロ業界を盛り上げていこうではありませんか。
あなたならきっとできますよ。
2022年5月更新!2曲目リリース
5月に入って新曲をリリースしました。
さすがに、コーラスで複数立ち上げますと重くなるときがあります。
ミックス段階ではすべて波形に書き出してから行うので、あまりストレスはありません。
ギターアンプはGTRSではなくKemperを使いました。80,90年代に流行ったROCKMANというディストーションのモデリングです。
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