JASRACに著作権侵害とされた歌詞考察記事とその対策

この記事は

  • ブログで歌詞考察記事を書きたい
  • 著作権的に問題ないか知りたい

方に向けて書いています。

 

当ブログの簡単な紹介

 

当ブログでは、主にアニメソングに関する楽曲のコードやメロディーを分析したり、

また歌詞の意味を考察する記事を書いています。

 

DTM系の機材紹介やノウハウを紹介することが主のブログではありますが、

巷の楽曲を分析するのは自分にとってもご覧いただくクリエイター志望の方にもよいだろうと思い、執筆をしております。

 

これまでに累計で40万人の方に愛読いただいております。

 

GMO経由でJASRACから指摘

 

で。ある日、レンタルサーバーConohaを運営しているGMOからメールが届きました。

 

滅多なことでGMOからメールが来ることはないので、何だろう?とすぐチェックしたところ、

このブログの一部の記事が著作権侵害であるとの指摘がJASRACからあったというものでした。

 

ドメイン一発閉鎖

 

レンタルサーバーを運営しているGMOとしては利用許諾に違反しているサイトということになるために、

当ブログは一発でドメイン閉鎖となり、閲覧が不可能となっていました。

 

まあその対応は妥当だとは思うんですが、これじゃ管理画面にもいけない。。

 

3年間頑張って書いた記事ともこれでお別れか。。

 

。。。

 

いやだ絶対!

 

侵害とされたのは歌詞考察

 

まずは冷静に侵害とされた記事を確認。

それはすべて、楽曲分析の一環としてい行っている「歌詞考察」記事でした。

 

一応、歌詞はすべて引用タグで記載をしていたのですが、それでも侵害であるとみなされたようです。

引用とはいえ、フル引用に近かったからダメだったのかな。。

 

一時復旧→記事非表示として恒久復旧

 

ということはそれらを削除すればクリーンなブログに戻れるということで、一旦非表示にしようと思うも、

前述のとおり、Wordpressの管理画面にすらいけないのです。

 

ということで、Conohaに直電話しました。

 

すると、意外なことにすぐに制限は解除してくれました。

一旦閉鎖されたブログでも、電話すればすぐに対応してくれます。

 

これが今回非常に助かりました。ナイスConoha。

以前のサーバ障害はなかったことにするよ!

 

ただ、解除されてもすぐにそれらの記事は非表示にしないといけません。

 

電光石火で非表示に切替えて、恒久復旧となったのでした。

 

JASRACへの問い合わせ

 

なんですが、ネットを検索していると歌詞をめちゃくちゃ引用しているブログっていっぱいあるんですよね。。

 

え、これなんでだろう?

 

ということでまずはJASRACにどのような点が侵害にあたるのかを問い合わせました。

 

JASRACからの回答によると、このブログの場合は以下のすべてを総合的に判断し侵害としたようです。

 

(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
(5)引用された著作物が公表された著作物であること。
(6)引用の目的に照らして必要な範囲の分量であること。
(7)著作者人格権を侵害しないこと。

 

心当たりがあるとすれば、それは引用の量ですね。

 

いくら自分の文が主とはいえ、すべてを引用してしまっては問題なのだろうと解釈をしました。

 

ということで重ねてJASRACには、バランスの問題である認識であることを意思表明し、

例えば(中略)などで制限すれば問題ないかを確認しました。

 

質問

くどしゅん

引用タグで、考察がメインの記事であってもガイドラインを侵害するものである。という解釈でよろしいでしょうか?その場合、一部の引用であれば問題ないでしょうか?


ーーーー
タイトル:音楽なんてやらなきゃよかった
Aメロ:
小さな頃から一人ぼっちで
やるせない日々歌にしてた
言葉にならない寂しさが
友達だった今でも
ーーーー
タイトル:音楽なんてやらなきゃよかった
Aメロ:
小さな頃から(中略)今でも
ーーーー

 

回答

JASRAC担当
上記7項目の要件を全て満たしていれば,当協会に許諾を得ることなく引用利用としてご利用頂けます。

 

これまた明確な回答ではないのですが、上記箇条書きをすべて満たすならOKというフワっとした回答でしかありませんでした。

これらを総合判断するのも、要は組織なので担当者一人では判断できないということなのかもしれませんね。

 

歌詞を掲載しているサイトへの問い合わせ

 

JASRACに問い合わせをするとともに、歌詞をフル引用しているブログの管理者の方に、侵害とならないコツみたいなものがあるのか聞いてみることにしました。

 

そのブログは、このブログと同様に歌詞考察をされているブログです。

 

で、聞いてみたところ、至極真っ当な回答が。

 

当ブログはJASRACと包括契約をしており、許諾料を支払うことにより歌詞を表記している。

 

なるほど、許諾料を払っているのですね。

 

またそのブログの管理者の方はJASRACの解釈として、以下のように述べられていました。

 

そもそも歌詞の考察記事とは主従関係的にどうしても歌詞が主となるために、引用にあたらない。

 

ちょっとボクが得たJASRACの回答とも少しベクトルの異なる見解だ。

つまり、結構グレーなんじゃないかと。。

 

結果、そのブログの管理者の方は包括契約をするしかなかったというのです。

 

 

以下ブログサービスでは自由に歌詞表示可

 

他にも、実は歌詞を自由に引用できちゃうブログはたくさんある。

調べてみるとブログサービス自体が利用許諾契約をしている場合があるのです。

 

  • アメーバブログ
  • JUGEM
  • Seesaaブログ
  • はてなブログ
  • プリ画像
  • Yahoo!知恵袋
  • ライブドアブログ
  • 楽天ブログ

 

これらのブログはフルだろうが歌詞を引用することが可能です。

 

許諾締結してもよいけど

 

このブログの場合は上記ブログサービスにあらず、レンタルサーバーのWordpressで構築されているために著作権侵害となったしまったということです。

 

であれば、利用許諾契約をしてしまえばいいと思ったのですが。

 

これが実は結構めんどい。

 

毎月、楽曲のリストについて報告をしなければならないようなのです。

 

 

引用しなくてよいのならしたくない

 

そもそも、このブログで考察しているのはアニメソングである。

歌詞からアニメがどのような展開をしていくものなのか?なぜアーティストそのような表現としたのか考える記事なのです。

 

歌詞の引用なんてしなくてよいのであれば一切載せたくはないのです。

 

問題となるのはスマホでの表示

 

ではなぜ引用してまで表示させるかというと、どこのことを言ってるかがわからないからですよね。

場所を説明するために引用しているわけなのです。

 

というのもPC/Macならまだしも、

スマホでは利用許諾をしている歌詞全文サイトと、考察記事の切替えが瞬時にできないのが問題なのです。

 

つまり、この問題を解消できれば、ブログに歌詞なんて一切載せなくてもいいわけだ。

 

ITで著作権問題を乗り切る道筋が見えてきた。

 

 

スマホでの見方を調査

 

で、調べてみたところ僕が知らなかっただけか、スマホのタブ切替はとっても簡単にできる。

iPhone/Android共通で、アドレスバーをスワイプさせれば直近のページの切替が瞬時にできる。

 

 

これを使えば許諾料を払っている歌ネットのページとこのブログの記事を瞬時に切り替えることができるので、

ブログ内に歌詞を全て載せる必要がない。

 

とはいえ、大体の場所を示すくらいは引用が必要です。

今回、歌詞の冒頭しか記載していないメロディーコード分析記事は、今回JASRACからの指摘対象になっていないため、少しなら引用可能なのでは。

 

バランスが問題ならば引用を中略でカット

 

というわけで、これまでの歌詞考察記事を復活させました。
変更点は以下。

 

  • 歌詞全文ページは別サイトを見てもらう(歌ネット)
  • 記事内には場所がわかるよう最低限の引用
  • 記事と歌詞全文が瞬時に切り替えられるよう説明書き記載

 

こういった記事に落ち着いたのです。

 

もしまた指摘をされたら

 

それでも、このブログのように歌詞考察記事は著作権アウトというものもあります。

 

僕の記事も再びJASRACという大きな組織の判断や、これまでの判例でアウトとなることもあるでしょう。

 

ただ、指摘されなかったメロディーコード分析記事での歌詞の書き方に問題がないとなるならば、

 

  • 場所がわかるよう引用すらやめて、単語のみ記載
  • それがだめなら「Aメロ」「Bメロ」といった記載

 

といった記載にすれば問題になりようがないのではないんじゃないかと思います。(推測です)

ということでここで一旦様子見することにした。

 

余談

 

で、今回JASRACからの指摘で一旦は絶望に陥ったわけですが。

なんだかとっても面白いこともわかったんですよね。

 

引用の具合とか、利用許諾の話とか。

 

その中で、一番面白かったのが。

「著作権侵害を指摘されなかった歌詞考察記事がある」ということです。

 

調べてみると、シナリオライター/作曲家の麻枝准さんの曲がほぼ登録されていないんです。

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もしかしたら独自で管理されているのかもしれません。

 

つまりJASRACはこの件については口出しできないということです。

(だからって侵害していないわけじゃないけども)

 

さらにもうひとつ。

 

JASRACに登録されてはいるものの、歌詞の管理は委託していないという曲もありました。

これについては聞けば、「あーあの人ならそうするだろうなぁ」って納得します。

 

正解は「えんとつ町のプペル/西野亮廣」でした。

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まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

 

これでもJASRACにまた指摘される可能性があります。

のでこのブログの書き方を真似されるのは控えたほうがよいかと思いますが。

 

まったく歌詞を引用せずとも考察記事自体は書けるはずだし、

ITを駆使すれば自サイトに歌詞を全く載せないことだって可能です。

 

まあしっかり利用許諾を支払って表記するというのも全然ありです。(それが本当にアーティストに還元されるなら)

 

もしあなたがJASRACから指摘を受けた際の参考になればと思います。

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