Antelope Audio 「Zen Go」レビュー

DTM

この記事は

  • Antelopeの新製品「Zen Go」がどのようなものが知りたい
  • ZenGoのレビューが読みたい

かたに向けて書いています。

 

2021年の新オーディオンターフェース Antelope 「Zen Go」

 

DTMerや宅録の制作者であれば、音の出入り口であるオーディオインターフェースには気を使いたいところ。

プロでもこの手の製品には気を使っていて。

 

アマチュアでも手の届く範囲でいうと以下の2製品が不動のツートップと言えるのではないでしょうか?

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しかしながら、ここに来てIF界の黒船とも呼べるAntelopeから、上記価格帯での新オーディオインターフェースが発売されました。

それが、「Antelope Zen Go」です。

 

 

 

 

Antelopeとは?

 

 

アンテロープというメーカーはあまり、演奏する側の人間には聞き慣れないメーカーだと思います。

しかしながら、エンジニア界隈ではとても有名なメーカーで。

 

元々はクロックジェネレーターを開発/販売していた会社です。

クロックジェネレーターの詳細については、ここよりも詳しいサイトがあると思いますので深くは触れませんが。

 

単純に言えば、サンプリングする周期を整える機器であり、

それがあることによりアナログ波形を超正確にデジタル化できる。

 

と思っていただければと思います。

要はAntelope社は、音質については折り紙つきのメーカーなのです。

 

その会社がこれまでは、OrionやDiscreteなど

アマチュアには手の届かないプロ向け機器をリリースしていたんですが。

 

昨今の新型コロナウイルスで配信をする機会も多くなった我々のために発表したエントリーモデルがZen Goということになります。

 

 

 

「Zen Go」スペック

 

では一体Zen Goというのはどういった製品なのでしょうか?

特徴を見ていきたいと思います。

 

バスパワー式デスクトップインターフェース

 

Zen 「Go」ということで、PCからの電源供給で動作するよう設計されています。

これまでのAntelope製品は必ず製品単体で電源供給をする必要があったため、まさに出先での録音を想定して作られているということですね。

なお、スタンドアロンで動作させるために、電源供給用のUSB端子も一つ用意されており、モバイルバッテリーなどを接続して動作させることも可能です。

 

 

USB-C接続

 

これまでAntelope製品はどちらかというとThunderbolt接続の方を推進しているメーカーでした。

が今回初めて、USB-Cに完全対応したモデルがZen Goとなっています。

 

Thunderboltを搭載しているのは主にMacで、Windowsでもないことはないですが

これまでは少数でした。

 

ですがZen GoであればWindowsでも安心して使うことが可能です。

大きくユーザーを増やすことがAntelope社も必要であると判断したということでしょうか。

 

4in/8out

 

IN/OUT数としては、DTMerにしてみれば十分なスペックです。

S/PDIF端子も搭載されていて、コンボジャック2基搭載。Hi-Z、ファンタム電源にももちろん対応で不足はありません。

 

驚異の音質

 

 

やはりオーディオインターフェースなので、音質が最優先となります。

ですがAntelopeですからその辺は全く心配ありません。

 

コンソールグレードのプリアンプを搭載し、AD/DAコンバーターは最大127dBのヘッドルーム。

この価格帯で64-bit AFCテクノロジーの採用されているため、とことん原音に忠実なサウンドとなります。

 

ループバック可能

 

最近は配信などでPCやMacから鳴らす音と、自分の声をミックスすることも多いです。

Zen GoならばPCやMac上のソフトウェアで簡単にループバック設定ができるため、オンライン放送のセットアップも容易に行うことが可能です。

 

37種類のエフェクト同梱

 

 

Antelope製品を購入される方は、これが目当てという方ももしかしたらいるかもしれません。

UADのように、エフェクトが同梱します。

ただ、これは注意が必要であくまでかけ録りを想定したもので、プラグインを想定したものではありません。

 

ルーティングでそのように使うことも不可能ではありませんが、とても面倒なので実質不可能と思っていた方が良いです。

Antelope製品を購入する上で注意が必要な点です。

 

 

「Zen Go」レビュー

 

で、なかなかこの製品に触れられずに、実際どうなのよ?

と思っている方いっぱいいると思うんですよね。

 

エントリーモデルとはいえ、けして安い買い物ではないですし。

ネット上ではこんな動画も出回っています。(ぱくさんいつもありがとう!)

 

ということで、Rockon渋谷店にお邪魔して試聴をしてきました。

 

音質について

 

この日筆者が聴いたのはヘッドホン環境で、主にAKG K701及びSony MDR-M1STで試聴を行いました。

どちらもRockonさんが用意してくれたものです。

Rockonさん!いつもありがとうございます!

 

同時に比較したのが、画面にもあるとおり、

  • Discrete Sysnergy Core 8
  • UAD Apollo twin x
  • RME Babyface Pro FS

です。

 

まず、Discrete Sysnergy Core 8とZen Goですが。

正直全く方向性の異なるサウンドでした。

 

Discreteの方が音がシャッキリしていて、Zen Goは音が柔らかい印象です。

どちらが質がいいというわけではなく、好みと言えるでしょう。

 

Zen Goは筆者の耳ではUAD寄りに聞こえました。

UADの柔らかさにかなり近いです。

 

硬さでいうならば

RME>Discrete>Zen Go、UAD

といった印象です。

 

 

ヘッドホンアンプの音量について

 

いろいろなところで言われ始めている、Zen Goのヘッドホン端子の音量が小さい件。

 

どんなもんなのよ?と思って聞いてみると。

確かに最大音量でここまでかぁ。。といった印象は確かにあります。

 

なんというか伸び代がない感じ。。

 

一般的なCD音源をMacで最大音量にした状態で、

Zen Goを最大音量にしても耳がイカレるほど大きくはなく、なんとか聞けてしまうくらいです。

それでもデカイですけどね。

 

つまり、マキシマイズされていない音源をミックスするときは音量不足になる可能性があると思います。

特にインピーダンスと感度により鳴らしづらいAKG K701なんかでは。

 

この件について、Rockonさんもかなりメーカーに突っ込んだようですが、

 

「バスパワー式を採用したことでそれが限界である。」

 

との回答だったようです。

ただ、他のバスパワー機器でもっと音量が出せているので言い訳としては苦しいなと筆者は思っています。

 

Antelope Audio Japanの公式Twitterでは、

それをなんとか回避するのにルーティングでやる方法も提示しています。

 

む〜ん、微妙。

 

2021年3月25日追記

アップデートにより、ヘッドホン音量が改善されました。
しかしながら、これらの対応についての報告が遅れたため、日本では炎上。
公式が謝罪&返金受付をする事態となっています。

 

 

ちなみに

 

Zen Goの上位機種である、Discrete Synergy Coreの音量はどうなの?

 

これもまた、UADやRMEに比べると小さめなんです。

Antelope社のオーディオインターフェースは音が小さめに作られていると思ってよいみたいです。

 

UADをA701で鳴らしたときに、4割程度くらいでちょうどいいですが、

Antelopeだと7割でちょうどいいといった感じです。

 

 

まとめ「Zen Go」はサブ機である

 

筆者的なまとめです。

 

このZen Goという製品は個人的に、製品の名前通り出先でのレコーディング用。

いわばサブ機として使うべきで、メインで使うべきではないという結論に至りました。

 

音質もDiscreteとは大きく異なり、UAD寄り。

であればDSPがついていてプラグインとしても使えるUADの方がいいじゃないか。

(USBだとバスパワーじゃないところをどう思うか)

 

という感じですね。

とは言え、何かとAntelopeはこれから未来がありそうです。

 

特にDTMer がみんな使っているUADとは違う音を作りたい場合にセレクトしてみるのも十分アリだと思います。

 

 

 

くどしゅん
筆者はDiscrete Synergy Core 8を導入しようとしています。
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