Antelope Discrete 4 or 8 Synergy Coreレビュー

DTM

この記事は

  • Antelope Discrete 4 or 8 Synergy Coreの購入を検討している
  • 評判を知りたい

方に向けて書いています。

 

DTMerの重要機材オーディオインターフェース

 

DTMで作曲をする際に必要となってくるもののひとつとして、オーディオインターフェースがあります。

通常のパソコンにもヘッドホンアウトや、内蔵マイクが導入されているため、それだけでのDTMはできなくもないですが、

やはり作るからには高音質な音源を作りたい!

そんな場合は、別途オーディオインターフェースが必須となってきます。

 

昨今は安価なものであってもカタログスペック上はCD音質を凌駕するサンプリング周波数で録音/再生に対応するものも増えてきています。

 

おすすめのオーディオインターフェースについては価格帯別に別途記事にしています。

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音屋でやたら評価が高いAntelope Discrete Synergy Core

 

で、昨今プロ/アマチュア問わずに人気のオーディオインターフェースにDSPを搭載したUAD製品が鉄板の製品となっているのですが。

 

非常に多くのユーザーがいるため、ちょっと違う製品が欲しい。。

そんな対抗馬として、Antelope Audioという会社の製品が最近人気です。

 

Antelopeは元々クロックジェネレーターを製造していたメーカーで、

ミュージシャン界隈では聴き慣れませんが、エンジニア界ではわりと有名なメーカーです。

 

クロックジェネレーターについて筆者はあまり詳しくないのですが、

元のアナログ波形をデジタル化するサンプリングの周期を整えるものと思っていただければよいと思います。

 

巷の安価なオーディオインターフェースでは実は結構その周期に揺れ(ジッター)があり、

それによって音質が悪くなってしまうところを、クロックジェネレーターを利用することによってより正確にサンプリングすることができるというものです。

 

つまり、Antelope社の製品は音質についてサンプリング周波数などのカタログスペックとは他社を凌駕しうるということです。

 

またUADではPCやMacとは別にハードにDSPを搭載していて、

CPUの負荷をかけずに独自のプラグインを利用できるメリットがありますが、

 

Antelope社製品もFPGAという同様の機能があり、UADとは異なるハードをシミュレートしたプラグインもあるため、そこも人気の要因となっています。

(※ただし、FPGAは基本かけ録りを想定したもので、プラグインとしては別途ソフトの購入が必要かつThunderbolt接続でしか使えません。)

 

ラインナップとしては主に3つ。

 

Discrete 4 Synergy Core

 

Discrete 8 Synergy Core

 

Orion

 

 

Discrete 4と8はIN/OUT数が異なるだけで他は同じ。

OrionはAntelope社のフラッグシップモデルというところでしょう。

詳しいスペックは、メーカーサイトにてご確認ください。

 

で、サウンドハウスのサイトをみてみると、やたら評価が高いのです。

Discrete 4 Synergy Coreの2021年現在の評価を音屋さんから転載させていただきますと。

 

口コミ

購入者Aさん
解像感が素晴らしくMIXが楽。生楽器でカッチリ制作に最高

インターフェース以外は変えずに環境そのままで聴き比べてはっきりと音の解像感が上がりました。
今まで聴こえなかった繊細な音が分離してニュアンスが聴き取りやすくなり、ミックスの効率が上がりました。

定番のカッチリした音作りでリーズナブルにプロ機材に迫る質感を実現できる点で、本当に良い製品だと思います。


購入者Bさん
この価格帯でこのサウンドは最高

今まで5年ほど1万円ほどのインターフェースを使っていましたがAD/DAやクロック含め録り音の偉大さに気づき探していたところ見つけたのがこの商品。

使用した感想はまさにUADとRMEのいいとこ取りな気がします。

UADの強みである実機プラグイン、RMEのような自由の効く回路を組めるコントロールパネル、とても助かってます。

 

 

Amazonのように、サクラが書いているようには見えないのですし、メーカーの取り巻きだとしてもレビュー数がとても多いです。

この評価の高さにちょっと不安すら覚えてしまいましたw

 

 

Zen Go Synergy Coreで炎上したAntelope

 

で、高評価ばかりの製品をリリースしているAntelope社が「Zen Go」という新製品を2021年リリースをしました。

これまでのどちらかというとプロユースだったのに対し、エントリーモデルをリリースしたのです。

 

エントリーモデルと言っても、スペック的に他の対抗馬も現状はありません。

 

バスパワーにも対応したことで電源も不要になり、「Go」という名のとおり、

出先での録音もしやすく、低価格であるため発売前からかなり期待されていました。

 

しかしながら、この製品はリリースからほどなく炎上することになります。

その顛末をまとめたのが以下の記事となります。

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現在バグは修正されたものの、メーカーとしての信頼が落ちてしまったAntelope。

返金対応も大幅に遅れて、販売店が返金に応じるような他社をも巻き込んだ状態となっています。

 

果たしてこのメーカーは大丈夫なのでしょうか?

 

ということで、筆者はこの炎上の少し前(2021年3月)にDiscrete 8 Synergy Coreを導入したので、使用感をまとめてみたいと思います。

 

 

Discrete 8 Synergy Coreレビュー

 

で、このAntelope製品。

日本ではサウンドハウスさんとRock On Proさんくらいしか取り扱いがありません。

Amazonでも購入は可能ですが、どこ経由なのかはちょっとわかりません。

 

ちょうど、購入するとEdge Soloという様々なマイクの名器をエミュレートできる独自マイクが付属するセールがしているので、Rockonさんで購入をしました。

上記リンクも楽天はRockon経由での購入となります。

 

やっぱりこういった低額ではない製品を購入するときは絶大な信頼できるお店で購入したですものね。

RockOnさんいつもありがとうございます!

 

 

導入

 

で、導入です。

 

Antelope社のサポートサイトを見ながらやればとくに問題になるようなことはありませんでした。

日本語で描かれていますし、アクティベーションからセットアップでつまづくこともありませんでした。

 

 

 

Windows/Mac問わず、とくにつまづくことはないと思います。

 

やや不便だなと思ったのは、Antelope社製品を利用する場合、Antelope Launcherという、ライセンスやドライバのバージョンを管理するソフトが必須になるのですが、そこからしかルーティングを行うコントロールパネルというソフトを起動できないためです。

 

コンパネを利用するためにわざわざLauncherを起動するのがちょっと面倒です。

 

Antelope Launcher

コントロールパネル

 

 

 

使用感

 

音質

肝心な音質についてはというと。

筆者はこれまでZOOM社の2万円程度のオーディオインターフェースを使っていたのですが、

明確な音質の向上は正直わかりませんでした。

 

こういった部分は、長く使っていく上で、後々気づく部分もあるとは思うのですが、現状では大きな違いを感じていません。

というのも最近はボカロ曲ばかり作っていますし、マイクを使っての録音はアコースティックギターくらいだからです。

基本はすべてソフトウェア音源なので、それだと大きな違いには気づけないのかもしれません。

 

ミックスがしやすくなったというレビューがあったかと思いますが、どうでしょう。

筆者は通常48kHz/24bitで音源を作りますが、それはDiscrete 8にしてからも変わっていません。

 

音の解像度はスペック上変わりないので、特段ミックスしやすくなったという印象はありませんでした。

僕、耳悪いんですかね。

 

ちなみに、このサイトの「I remembered that」からがDiscrete 8で作っています。

 

安定性

 

筆者のものは安定稼働しています。

 

ただ確かに、音が出ないときがあります。

それは、例えばDAWの設定とYoutubeなどのサンプリング周波数が異なる場合によく発生します。

 

DAWの設定が44.1kHzとなっていて、Youtube動画をみようとしたとき。

Youtubeは48kHzなのでそれが要因となって動画が再生されない現象がよくあります。

 

その場合はDAWやブラウザを一旦終了し、コントロールパネルを起動してサンプリングレートを変更すると再生されます。

 

あまりストレスにはなりませんが、

  • これによりよいアイデアを逃してしまう
  • やりたいときにスッとできない

ということで制作に影響が出るということはあるかもしれません。

 

FPGA FX

 

オーディオインターフェースに内蔵されたハードによるエフェクトです。

基本はかけ録りを想定したものですが、筆者はAFX2DAWを購入したのでプラグインで利用できます。

 

最初の頃は、DAWのプロジェクトを広げるたびにエフェクトの設定がリセットされてしまう現象を確認していたのですが、ドライバのアップデートによるものかわかりませんが、現在はちゃんとプロジェクトに設定も保存され、ストレスなく使えています。

 

ただ、仕様としてオフラインバウンスではFPGA FXはバイパスされてしまいます。

ここがやや不便です。

 

MacのCPUやDSPとは完全独立しているため、仕方ないのかもしれませんが、オフラインバウンスに対応するとより便利になるんじゃないかと思います。

 

サポートについて

 

みなさんが一番気になるのがメーカーのサポートでしょう。

Antelope社が炎上したのはZen Goの不具合によるものですが、本質は企業体質と日本人のサポート担当の不誠実さでしょう。

 

我々の基準は EU にあります。日本ではありません。

 

こんなこと、普通に書いちゃうメーカーですからね。

 

ここに関しての個人的感想ですが。

 

Rockonさんがいれば安心!

 

実は今回購入した際、Edge Soloというマイクが無料でつくキャンペーンだったのですが。

これが数日で調子が悪くなったのです。使ってるとホワイトノイズが出てくて音を拾わなくなる。

 

なので、Rockonさんに持っていったのですが。

Antelopeの修理/交換案件は、不具合時の動画が必要とのことです。

 

 

 

なんですが、今回は購入後すぐだったことから、RockOnさんがすぐに交換対応に応じてくれました。

なお、Zen Goの件で返金対応にも応じているようで、やはり信頼できるお店ですね。

(したがって正規サポートはまだ使ったことがありませんし、これからもなさそうです。)

 

その後、Edge Soloは快適に使えています。

 

 

まとめ

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

今回筆者がDiscrete 8 Synergy Core を購入したのは、UADの同価格帯がラックじゃないことが一番の理由です。

筆者のDTM机には1Uだけラックを埋め込むスペースがあり、そこに合うIFを探した結果行き着いたメーカーでした。

 

正直音質については、横に置いてそれぞれ聞き比べたわけではないのでZOOM社製との違いは対してわかりませんが、概ね購入には満足しています。

 

これからメーカー体質、日本人サポートの誠実さを取り戻すことが大きな課題ですね。

 

最後にもし購入を検討された方へ。

購入するなら絶対にRockonさん経由で購入されることをオススメします。

 

 

 

くどしゅん
人間は誠実さが重要だよね。
ちなみにRockonさんに炎上の件を聞いたら、「数十万円のプロ用機材のメーカー担当ならフランクでもいいけど、間口の広い製品の対応としては間違えたね。」と言ってました。
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