大成建設CMミャンマー編「春泥棒/ヨルシカ」歌詞考察

この記事は

  • 大成建設のCM曲を知りたい
  • 「春泥棒/ヨルシカ」の歌詞が知りたい

方に向けて書いています。

 

大成建設CMミャンマー編

 

大成建設が新海誠さんのアニメーション動画を使用するようになってどれくらいでしょうか。

 

2021年現在はこのミャンマー編が流れていて、新海さんの国宝級ともいえる綺麗な背景とともに、

一人の青年の成長が物語られます。

 

 

で、このCMで流れる曲に心奪われた方も多いのではないでしょうか?

 

心地よいアコースティックギターと、女性ボーカルの柔らかな声。

新海誠さんのアニメーション同様、風を感じさせる爽快なナンバー。

 

この曲はヨルシカというバンドの曲なのですが。

このCMが2020年3月から流れていたにも関わらず、この曲はずっとリリースされていなかったのです。

 

その間、ヨルシカはフルアルバム「盗作」をリリースしています。

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そして2021年、CMからほぼ一年経ってやっとリリースされたのがこの曲なのです。

 

春泥棒/ヨルシカ

 

この曲のタイトルは「春泥棒」。EP「創作」の2曲目に収録されています。

 

コンポーザー兼ギタリストであるn-bunaさんらしいタイトルだなと感じました。

この方は、情景と感情をうまく操る歌詞を書かれていて、非常に繊細な面が現代の生き方に迷う人達に受けているんですよね。

 

その特徴は、綺麗なものと汚いものとの対比。

そう、「春」「泥棒」なのです。

 

MVもあって、こちらもアニメーション寄りです。

 

今日はこの歌詞を考察してみましょう。

なぜ、この曲のタイトルは「春泥棒」なのか?

 

 

 

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歌詞考察

 

まず上記Youtube動画の説明欄にこう書いてあるんですよね。

 

「命を桜に喩えます。」

 

これがMVのページに書いてるってことは、作詞者(n-buna)の意向というよりは、MV製作者の意向って捉えるのが自然ですかね。

実際、MVでは春の象徴である「桜」を盗むとは、大切な人との別れを表現しているように見えます。

 

ここでは、主にMV製作者の解釈に加えて、筆者の独自解釈も書いていきます。

 

高架橋を抜けたら雲の隙間に青が覗いた
最近どうも暑いから ただ風が吹くのを待ってた

春泥棒/ヨルシカ

 

情景がとても浮かぶ歌詞ですね。

曇り空の中、一部だけ雲が切れて青空が除く。

 

天気が変わり始めることを予感させます。

「最近どうも暑い」ことから、この後に出てくる花がただの花ではないこと(命の比喩)を表現しているのではと推測しました。

 

 

木陰に座る
何か頬に付く
見上げれば頭上に咲いて散る

春泥棒/ヨルシカ

 

所作が伝わる歌詞です。

自分がVRでもしているかのように、情景が浮かぶ。ヨルシカが得意とする歌詞ですね。

 

実際MVも、VRで展開していく美しい動画です。

「頭上に咲いて散る」ということでMVでは「花火」が度々登場します。

 

花火もまた命の比喩、人生の比喩としてよく使われます。

 

はらり 僕らもう息も忘れて
瞬きさえ億劫
さぁ 今日さえ明日過去に変わる
ただ風を待つ
だから僕らもう声も忘れて
さよならさえ億劫
ただ花が降るだけ 晴れり
今 春吹雪

春泥棒/ヨルシカ

 

サビです。

「はらり」と舞う花びら。花が命の比喩だとすると、

生きるということはとても面倒=億劫なのだということが言いたいのだと思いました。

 

それでも僕らは生きるしかない。時間を過ぎていく(今日さえ明日には過去)

自死を選ぶことも億劫。

 

ただこの生命を燃やしていくだけ。吹雪のように。

 

ジブリの宮崎駿さんが以前、アニメーションを作るとき、こんなことを言っていたんですよね。

 

「面倒くさい」

 

大御所と言われるクリエイターでも、ものを作る工程はとても辛い。

それは本当人生みたいなもので、何もしなくていいのであればやりたくない。

 

でもやるしかない。

まさにこういったことを表現していると解釈できます。

 

一方、筆者独自の解釈です。

 

この曲が「春泥棒」である理由の2コーラス目で明らかになるのですが、

それでこの曲のタイトルを「春泥棒」にするかな?と思ったのです。

 

この1サビの「桜」こそ、人の心を奪い、目を奪い、瞬きすることすら億劫にさせる。

まさに桜こそが春の泥棒なのだと解釈しました。

 

桜の舞い散る秒速5センチメール。その一秒という時間すら桜は奪い、人を惑わすのです。

 

 

 

次の日も待ち合わせ
花見の客も少なくなった
春の匂いはもう止む
今年も夏が来るのか

春泥棒/ヨルシカ

 

春という季節の終わりを表現しています。

花見の客が減ったとうことは、頭上はもう葉桜になってきているということですね。

 

命の比喩ならば、大切な人との別れを予感させます。

 

 

高架橋を抜けたら道の先に君が覗いた
残りはどれだけかな
どれだけ春に会えるだろう

春泥棒/ヨルシカ

 

「道の先に君が覗いた」という表現から「君」=「桜」を示唆していますね。

春が終わりに近づいた今、君にはあと何日会えるんだろう。

 

命の比喩としても違和感のない歌詞となっています。

 

 

川沿いの丘 木陰に座る
また昨日と変わらず今日も咲く花に

春泥棒/ヨルシカ

 

2サビに続く、情景をつなげる歌詞です。

「僕らもう息も忘れて」につながるために「変わらず今日も咲く花に」で締めているわけですね。

 

丘に咲く一本の桜の木の木陰から漏れた光と、花びらが思い浮かぶ。

まさに情景の歌詞です。

 

僕らもう息も忘れて
瞬きさえ億劫
花散らせ今吹くこの嵐は
まさに春泥棒
風に今日ももう時が流れて
立つことさえ億劫
花の隙間に空 散れり
まだ 春吹雪

春泥棒/ヨルシカ

 

ヨルシカの曲は、まさに「情景と感情」。

サビは感情パートといった感じです。

 

ここに来て春泥棒の正体がわかります。

こんな美しい花を奪っていく風こそ、春泥棒じゃないかと。

 

ただ筆者はやはり、桜こそが人の心を奪う春泥棒だと思っています。

 

人の命を奪っていく「時間」もまた、泥棒ですね。

 

なんだ、世の中泥棒ばかりじゃないか。

 

今日も会いに行く
木陰に座る
ため息を吐く
花ももう終わる
明日も会いに行く
春がもう終わる
名残るように時間が散っていく

春泥棒/ヨルシカ

 

再び情景パート。

所作のひとつひとつが鮮明で、それこそ思い出が空から花びらのように降ってくるようなイメージが湧く歌詞です。

 

前述のとおり、時間もまた泥棒だ。

 

愛を歌えば言葉足らず
踏む韻さえ億劫
花開いた今を言葉如きが語れるものか

春泥棒/ヨルシカ

 

ここでまた宮崎駿さんの先ほどの話を思い出します。

「表現するのは面倒なこと」なのだ。

 

作詞、作曲したことのある人ならわかると思います。

思っている感情や情景を伝えるというのは本当に難しいことです。

 

そしてヨルシカ特有の皮肉です。

「言葉如きが語れるものか」

 

本当に美しいものを表現したいときに一番伝わる方法。

表現方法の否定です。

 

命の比喩であるならば、

人が生まれるということの素晴らしさは、言葉で表せるもんじゃない。ということでしょうか。

 

 

はらり 僕らもう声も忘れて
瞬きさえ億劫
花見は僕らだけ
散るなまだ 春吹雪

あともう少しだけ
もう数えられるだけ

あと花二つだけ
もう花一つだけ

ただ葉が残るだけ はらり
今 春仕舞い

春泥棒/ヨルシカ

 

最後のサビです。

 

桜に最後のときが迫っていることが表現されています。

少しずつ花びらが少なくなっていって残りのカウントダウン。

 

最後が「春の終わり」ではなく「春仕舞い」としているところに作詞としてのセンスを感じます。

筆者なら「若葉の季節」とか、「夏の始まり」とか、そんな適当な言葉で締めてしまいそうですが、

 

しっかりとこの曲は春の歌であることを決定づけて歌が終わります。

 

この歌が命をテーマにしていると解釈するなら、

人生の終わり際を描いていることになります。

 

人として生まれたからには必ず訪れる最期。

人生の儚さを感じさせるアウトロですが、けして暗くはありません。

 

この曲が長調であることも理由のひとつですが、

なんとなく最後まで春と表現していることから、

 

過ぎゆく時間を大切に生きようね。

そんなメッセージを感じました。

 

まとめ

 

ヨルシカの歌詞を分析してみました。

ROCK育ちの筆者が始めてヨルシカを聴いたとき、とてもやわらかい音だな。と思いました。

 

やわらかいどころか、少し籠もっているような。

でもすぐに耳がそれに馴染む事に気づき、かつこのサウンドによってVoの声がまた際立つんだなと思いました。

 

今回「春泥棒」の考察をしてみましたが、他の曲もやってみたいですね。

今後も彼らの活動を楽しみにしています。

 

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